宿泊施設の開業に興味があるものの、民泊とゲストハウスどちらを開業すればよいのか迷っている方もいるでしょう。民泊とゲストハウスは似ていますが、実は許認可の有無や営業日数の制限などに違いがあります。両者の違いを理解したうえで、どちらを開業するか検討しましょう。この記事では、民泊とゲストハウスの違いについて解説します。
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民泊とは
民泊とは、住宅の全部または一部を利用し、旅行客に宿泊サービスを提供している施設のことです。昨今では訪日外国人観光客が増加しており、宿泊ニーズが高まっています。ホテルや旅館のみではニーズに対応しきれない地域も少なくありません。そのため、空き物件を活用して宿泊サービスを提供する民泊に注目が集まっています。
また、少子高齢化により空き家が増加しており、空き家を有効活用して地域を活性化させる手段としても、民泊が重要視されています。
ゲストハウスとは
ゲストハウスとは、宿泊客同士、あるいは宿泊客とスタッフの交流を目的とした宿泊施設のことです。リビングやバスルーム、トイレが共有であり、個室ではなく相部屋を採用しているケースが多く見られます。ホテルや旅館に比べてサービスを最低限にすることで、宿泊費用を抑えているのが特徴です。
ゲストハウスは、主に宿泊費をなるべく抑えたいバックパッカーや、旅行先で多くの人との交流を大切にしたい方などに利用されます。
民泊とゲストハウスの違い
民泊とゲストハウスの大きな違いは、許認可と営業日数の2点です。
それぞれ解説します。
業種・許認可
ゲストハウスは、旅館業における簡易宿所に分類されます。そのため、ゲストハウスを開業するためには、簡易宿所営業許可を取得しなければなりません。
一方、民泊には、以下の3つの種類があります。
- 旅館業法における簡易宿所としての民泊
- 国家戦略特区法における特区民泊
- 住宅宿泊事業法の届出を行って運営する民泊
これまで、民泊を開業するためには、簡易宿所営業許可または民泊特区による認定が必要でした。しかし、いずれもハードルが高く、無許可で違法に営業する民泊が増加していました。そこで、平成30年6月に住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行され、届出により民泊を営業できるようになったのです。
以下では、民泊の中でも住宅宿泊事業法の届出を行って運営する民泊に限定し、ゲストハウスの違いについて解説します。
営業日数
ゲストハウスには、営業日数の制限が設けられていません。
一方、民泊には「年間提供日数が原則180日以内」という180日ルールが設けられています。これは、旅館業法に基づく宿泊施設を保護するため、と考えられます。自治体によっては、さらに営業日数に制限をかけているケースも見られます。
民泊は届出のみで開業できるためハードルが低い一方、年間で約半分しか営業できないのが難点です。180日を超えて営業したい場合は、簡易宿所営業許可を取得して簡易宿所として運営するか、特区民泊の認定を受ける必要があります。
開業するなら民泊とゲストハウスどちらがいい?
宿泊施設を経営してみたい方の中には、民泊とゲストハウスどちらを選ぶべきか迷っている方も多いでしょう。ここでは、民泊とゲストハウスの経営ハードルを、以下の3つの観点から比較してみましょう。
- 許認可の取得
- 初期費用
- 収益性
許認可の取得
許認可の取得という観点では、民泊の方がハードルが低いです。民泊は届出のみで開業できる一方、ゲストハウスは許認可を取得しなければならないためです。
簡易宿所営業許可を取得するための主な流れは以下のとおりです。
- 自治体の旅館業法担当窓口や保健所に事前相談する
- 申請書類を準備して許可申請を行う
- 書類審査を受ける
- 構造設備の基準を満たしているか、現地で施設検査を受ける
- 保健所長から営業許可書が交付される
初期費用
民泊とゲストハウスでは、ゲストハウスの方が初期費用がかかる可能性が高いです。
民泊は空き部屋でも比較的気軽に始められる一方、ゲストハウスでは条件を満たすために多くのリフォームをしなければならないためです。
初期費用は物件の価格や状況にもよりますが、民泊の場合は50〜100万円程度、ゲストハウスの場合は500〜1,000万円程度と理解しておきましょう。
収益性
収益性という観点では、営業日数の制限がないゲストハウスに軍配が上がります。
営業日数は収益に直結します。民泊の営業日数は180日以内に抑える必要があるため、売上を十分に確保できない可能性が否定できません。初期投資の回収に苦労する場合もあるでしょう。
民泊やゲストハウスを運営するうえで重要な業務効率化
民泊やゲストハウスを運営するうえでは、いずれも業務効率化が重要です。
民泊やゲストハウス経営では、多くのランニングコストがかかります。利益率を高めるためには、稼働率アップと業務効率化が欠かせません。
業務効率化のために推進したいのが、IT化です。宿泊業の業務効率化に役立つITシステムとしては、以下が挙げられます。
- セルフチェックインシステム
- スマートロック
- ホテル管理システム(PMS)
- サイトコントローラー
セルフチェックインシステム
セルフチェックインシステムは、チェックイン作業を宿泊客自身で完結できるシステムです。宿泊者のパスポート情報や映像から自動で本人確認を行い、鍵の受け渡しまでを無人化できます。フロント業務を効率できるほか、宿泊客にとってもストレスフリーなチェックインを実現できるのがメリットです。
スマートロック
スマートロックとは、暗証番号を入力したりスマホをかざしたりするだけで、解錠・施錠できるシステムです。鍵本体がなくても解錠・施錠できるため、鍵の受け渡しのためだけにわざわざその場に居合わせる必要がなくなります。
暗証番号の発行や鍵の有効期限の設定などもシステム上で行えるため、フロント業務の効率化につながるでしょう。
ホテル管理システム(PMS)
ホテル管理システム(PMS)は、予約や精算の管理、客室の管理、顧客情報の管理、宿泊データ分析など、ホテル宿泊に関するあらゆる業務を一括して管理できるシステムです。
フロント業務を自動化できるため、人件費削減を実現できるでしょう。また、顧客情報をストックし、サービスの品質向上につなげられるのもメリットです。
サイトコントローラー
サイトコントローラーは、複数の予約情報を一元管理できるシステムのことです。複数の予約サイトを利用している場合でも、空き状況や料金、プラン情報などを全てのサイトで一括反映できます。ダブルブッキンなどの予約に関するトラブルを防げ、顧客からの信頼獲得につながるでしょう。
セルフチェックインシステムなら「maneKEY」がおすすめ
セルフチェックインシステムなら「maneKEY(マネキー)」がおすすめです。
maneKEYは、AIによるパスポートの自動読み取りと本人認証機能を搭載しているため、自動で正確な本人確認を行えます。宿泊台帳とパスポートデータはクラウド上に保管されるため、台帳管理も効率化します。
さらに、日本語・英語・繁体中国語・簡体中国語・韓国語の5言語に対応しており、外国人観光客も操作できます。インバウンドに対応したい方にもおすすめです。
民泊やゲストハウス運営を効率化して成功したい方は、maneKEYの活用を検討してはいかがでしょうか。