インバウンド需要が回復したことで、インバウンド銘柄への注目が高まっています。インバウンド銘柄とは、インバウンド消費に関連する株式銘柄のことです。インバウンド銘柄が注目される理由を理解することで、インバウンドに対応すべき重要性がわかり、どのような施策をとればよいかのヒントを得られるでしょう。今回は、インバウンド銘柄とは何か、インバウンド銘柄が注目される理由や、ホテルがインバウンド需要に向けて取り組むべき施策、おすすめのシステムなどを解説します。
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インバウンド銘柄とは
インバウンド銘柄とは、インバウンド消費に関連のある株式銘柄のことです。
そもそもインバウンド(Inbound)とは、外から中に入るという意味で、観光業界においては訪日外国人による旅行を指します。
訪日外国人観光客が日本で行う消費のことを、インバウンド消費といい、インバウンド消費が日本経済に与えるインパクトは大きいとされています。国土交通省の「訪日外国人消費動向調査」によると、2023年1-3月期の訪日外国人旅行消費額は、1兆146億円でした。新型コロナウイルスが流行する前の2019年同期に比べると11.9%の減少ではあるものの、かなりのインパクトがあることがわかるでしょう。
インバウンド銘柄は、インバウンド消費が増加することで株価が上昇することが期待される銘柄であり、新型コロナウイルスの影響が落ち着いた現在、注目を集めています。
インバウンド銘柄が注目されている理由
インバウンド銘柄は、株価の上昇が見込まれるため、投資家から大きな注目を集めている銘柄です。インバウンド銘柄が期待されている理由としては、以下が挙げられます。
- 訪日外国人観光客の受け入れ制限が緩和された
- 円安によりインバウンド需要が高まっている
- インバウンド消費の内容が多様化している
それぞれ見ていきましょう。
訪日外国人観光客の受け入れ制限が緩和された
新型コロナウイルスの影響が落ち着いたことで、水際対策が緩和され、訪日外国人観光客の受け入れが進んでいます。日本政府観光局によると、2023年3月の訪日外国人数は1,817,500人であり、個人旅行再開以降で最多でした。
訪日外国人が増えれば、宿泊や食事、買い物などのインバウンド消費が増え、ホテルや飲食店などの売上が増加することが期待されます。
円安によりインバウンド需要が高まっている
円安の進行が各所でさまざまな影響を及ぼしている一方、外国人観光客にとっては、日本に観光に訪れるきっかけとなっています。実際、株式会社アスマークが行ったアンケート調査では、訪日のきっかけとして円安を挙げた外国人観光客は、中国や韓国では約7割、アメリカやベトナムでは5割弱であることがわかりました。
円安が進む現在、観光業界にとっては大きなビジネスチャンスとなっているのです。
インバウンド消費の内容が多様化している
モノ消費だけでなくコト消費が増え、インバウンド消費の内容が多様化していることも理由の1つです。
これまでは、「爆買い」に代表されるように、インバウンド消費の多くは買い物でした。しかし、最近では日本文化の体験やアクティビティなど、経験にお金を使う「コト消費」も増加しています。たとえば、日本ならではの文化である金継ぎを体験する教室や、和室に宿泊できるプランが人気を集めており、インバウンド消費の恩恵を受ける業種が拡大したのです。インバウンド銘柄に該当する業種が増え、インバウンド銘柄への注目が高まっています。
インバウンド銘柄を構成する業界・業種
インバウンド銘柄を構成する業界・業種には、以下が挙げられます。
- ホテル・旅館
- 航空、鉄道などのインフラ業界
- 旅行会社
- 百貨店
- 家電量販店
- ドラッグストア
- 化粧品メーカー
特に、インバウンド消費の拡大により、ホテル・旅館の売上が増加することが期待されています。メトロエンジン株式会社が宿泊事業者を対象に行った調査では、7割のホテル事業者が、インバウンド需要の回復を実感していることがわかりました。
このように、宿泊事業者にとって、インバウンドは大きなチャンスです。
インバウンドでさらに売上を上げるための施策
インバウンド需要の恩恵を最大限受けるためには、外国人観光客に選ばれるホテル作りが欠かせません。ホテルが取り組むべきインバウンド施策としては、以下が挙げられます。
- 多言語に対応する
- 飲食メニューを充実させる
- USB充電に対応したコンセントや変換プラグを用意する
- フリーWi-Fiを設置する
多言語に対応する
英語や中国語をはじめ、多言語に対応しているホテルは、外国人観光客にとって安心して利用できます。具体的には、外国語に堪能なスタッフを配置する、英語版の案内を設置する、電話応対サービスやチャットサービスを導入して質問やリクエストに応えられるようにする、など、さまざまな施策が考えられます。
レストランで提供するメニューについても、QRコードを読み取ることで食事の詳しい説明が見れるようにすれば、安心して食べてもらえるでしょう。
多言語に対応するための便利なシステムやツールは多く登場しているため、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
飲食メニューを充実させる
飲食をメニューを充実させ、さまざまなニーズに応えられるようにするのも1つの方法です。
特に、宗教上の理由から特定の食べ物を食べられない方は多く存在します。ハラル対応メニューのように、各国の事情に柔軟に対応できるようなメニューを別で用意するのがおすすめです。
ベジタリアン向けに、肉や魚を一切使わないメニューを用意するのも効果的です。
メニューを別で用意するにはコストがかかるため、あらゆるニーズに応えられるようにするのは難しいでしょう。まずは、ホテルを利用している客層を分析し、優先的に対応すべきメニューはどれか検討することが大切です。
USB充電に対応したコンセントや変換プラグを用意する
コンセントの形状や電圧は国によって違うため、海外で使用されているものが日本では利用できない、というケースは多いです。
USB充電に対応したコンセントを設置することで、変換プラグや変圧器がなくてもスムーズに充電でき、訪日外国人宿泊客の顧客満足度を高められます。
コンセントの設置が難しい場合は変換プラグを用意し、客室に設置したり、フロントで貸し出しサービスを行ったりするのがおすすめです。
フリーWi-Fiを設置する
ホテル内で使えるフリーWi-Fiを用意していない場合は、整備を進めましょう。多くの訪日外国人が、インターネットを利用して観光情報を収集します。客室に無料Wi-Fiを設置し、利便性の高いホテルを目指しましょう。
インバウンド対策に取り組みたいホテルへのおすすめシステム
インバウンド対策で特に鍵となるのが、多言語対応です。マルチリンガルのスタッフをフロントに配置することで、外国人観光客に対応できます。しかし、条件を満たすスタッフをすぐに採用・確保できるわけではありません。スタッフの人数が増えれば、その分人件費負担も増加します。
そこでおすすめなのが、多言語に対応したセルフチェックインシステムの導入です。セルフチェックインシステムとは、チェックイン業務を自動化できる便利なシステムのことです。事前に宿泊客にQRコードを発行し、端末にQRコードをかざしてもらうことで、自動で本人確認とチェックイン手続きを行えます。
多言語に対応したシステムなら、フロントにマルチリンガルスタッフがいない時であっても、スムーズにチェックイン手続きを進められるのです。
セルフチェックインシステム「maneKEY(マネキー)」は、日本語・英語・中国語(簡体字・繁体字)に対応しています。詳細が気になる方は、ぜひ以下よりお問い合わせください。