セルフチェックインシステム, ホテルシステム, ホテル経営

ホテル経営のリスクとは?失敗する原因と成功のポイントを解説

セルフチェックインシステムホテルシステムホテル経営

新型コロナウイルスの収束や円安の影響により、日本の観光地には多くの旅行客が訪れ、観光業界にも以前の活気が戻りつつあります。観光客の増加に伴い、宿泊施設の需要も右肩上がりで、新たにホテル経営を始めるタイミングとしては絶好の機会と言えるでしょう。
ということで今回は、新たにホテル経営を始めたいと考えている方に向けて、経営を始める上で知っておきたいリスクや注意点をご紹介します。ぜひ最後まで読んでみてください!

ホテル経営のリスク

経営をするうえでリスク対策は欠かせません。まずはホテル経営の主なリスクを2つご紹介します。

ランニングコストがかかる

ホテル経営は、初期費用だけでなくランニングコストがかかります。
ランニングコストに含まれるものとしては、施設の規模にもよりますが以下のようなコストがあります。

  • 人件費
  • 水道光熱費
  • 広告費
  • 家賃
  • 消耗品費
  • 保守点検、修繕費

このように、ホテル経営ではさまざまなランニンングコストがかかるため、閑散期や宿泊が制限される事態が発生した場合、大幅な赤字になってしまうリスクがあります。

ランニングコストを削減する方法としては、システムの利用や業務の効率化により人件費を削減する、アメニティを必要以上に部屋に置くのではなく、必要な分をフロントから持って行ってもらう、などがあります。できるだけ無駄な費用を減らせるよう、工夫が必要です。

景気に左右されやすい

新型コロナウイルスが観光・宿泊業に及ぼした影響はまだ記憶に新しいと思いますが、この業界は景気やインバウンド需要にとても左右されやすいです。

こうした外的要因は、自社でコントロールできるわけではないため、自分たちの力で解決するのが難しいのも事実です。そのため、社会情勢や観光客の動向などをよく見極め、どのような状況になっても安定して集客できるような経営戦略が必要です。

ホテル経営で失敗してしまう原因

準備万端で経営を始めたつもりでも、集客が不安定だったり資金面で問題があったりする場合は、経営状況を見直す必要があります。ここでは、ホテル経営に失敗してしまう原因を4つ紹介します。

ターゲットやコンセプトが曖昧

ターゲットやコンセプトが曖昧だと、宿泊客のニーズを満たせない可能性が高いです。

たとえば、非日常をコンセプトにしているのに施設内やサービス内容に普段の生活感が出てしまっていると、コンセプトに共感して予約した宿泊客の期待には添えません。また、ビジネスパーソン向けなのに郊外に位置している場合は、そもそも宿泊客が集まりにくいでしょう。

ターゲットの需要やコンセプトがあいまいだと、利用者の増加やリピーターの確保が難しくなり、売上の低下などで経営が困難になります。

価格設定が適正でない

宿泊者のターゲット層や提供しているサービスに見合わない価格設定をしてしまうと、集客が上手くいかなかったり、サービスに対する不満やクレームにつながったりしてしまいます。

価格は安ければよいというわけではありません。ホテルは競合が多いため、競合他社と差別化できるサービスを提供し、適正な価格を設定する必要があります。

資金繰りに失敗している

資金繰りに失敗してしまうのも、ホテル経営でよくある失敗ケースです。

資金繰りとは、会社の収入と支出を管理して収支の過不足を調整することです。
経営が好調であれ不調であれ、資金繰りについては常に意識しておく必要があります。
資金繰りに失敗してしまうと、たとえ黒字でも取引先や従業員への支払いが難しくなり、倒産に追い込まれるリスクがあります。

正しい知識を持ったうえで、常に資金繰りを常に把握しておきましょう。

よくある資金繰りの失敗ケース

ここで資金繰りに失敗するケースを2つ紹介します。

1つ目は資金繰りを管理できていないことです。そもそも資金繰りをきちんと管理できておらず、ランニングコストがいくらかかっているのかなども把握できて
いない場合、売上はあっても利益が出ず、結局手元に資金が残らなくなります。

2つ目は、投資に失敗している場合です。例えば、設備投資を過度に行うことで、投資分を回収できないまま終わってしまうケースがあります。投資はもちろん大切ですが、リスクも考えたうえで、リターンの大きさと比較して投資するかを決める必要があります。

無駄な人件費をかけている

人件費は、ホテル経営で必要なコストの中でも特に大きいです。本来削減できるはずの人件費が無駄にかかっており、ホテル経営を圧迫しているケースも多いため、本当に人の手が必要な業務を見定めることが重要です。

経営不振に陥っているからといって、闇雲に人員を削減するのは得策ではありません。宿泊客に十分なサービスを提供できなくなり、スタッフの意欲や信頼を損なうことにもつながりかねません。
ただ人手を減らすのではなく、業務を無人化できるサービスやホテルシステムを上手に活用するのがおすすめです。

ホテル経営に成功するための6つのポイント

ここで、リスク管理を徹底したうえでホテル経営を成功させるために役に立つ6つのポイントを紹介します。

1.ターゲットとコンセプトを明確化する

宿泊者の需要や満足度に応えるためにも、施設を選ぶ基準としてターゲットやコンセプトを明確にすることは非常に大切です。

ビジネスパーソンやファミリー層など、ターゲットは誰なのか、広告やサービス内容などから施設のコンセプトは何なのかを明らかにしましょう。ターゲットやコンセプトを明確に打ち出せば、宿泊者も予約をする際に選びやすくなり、満足度が上がることでリピーターにもつながります。

さらに、利用者の口コミも参考に、実際のサービス内容がターゲットやコンセプトにマッチしているかを逐一チェックしましょう。

2.フランチャイズを活用する

フランチャイズとは、本部と加盟店が契約を結び、加盟金やロイヤリティを支払うことで、ブランド力や商品・サービスの販売権、本部で成功したノウハウを得たうえで、新規店舗を立ち上げられるという仕組みです。

ゼロからホテルを立ち上げるとなると、事業が軌道に乗るまでかなりの時間がかかります。フランチャイズを利用して開業すれば、本部のブランド力を活かし、運営面でもサポートを受けられるのがメリットです。初期費用を抑えられ、はじめからある程度の集客力が見込めます。

はじめてホテル運営に携わる方は、まずはフランチャイズを活用してホテル経営に挑戦してみてはいかがでしょうか。

3.出口戦略を考える

出口戦略を考え、経営のゴールを定めておくことも大切です。

出口戦略としては、M&Aを利用して第三者に売却する上場して株式を公開する、の主に2つが挙げられます。特に、投資家から出資してもらっている場合は、出口戦略によって利益を確定することが必要です。

どちらの出口戦略をとるかによって、経営の際に意識すべきポイントは異なります。出口戦略については必ず考え、最終的なゴールを見据えながら経営を行いましょう。

4.常に資金繰りを考える

資金繰りを考えるというのは、現在の状況だけではなく、将来のお金の動きについて考えることです。そのため、経営が悪化してから資金繰りを考えても手遅れです。

そのような状況にならないために、設備投資などの資金繰りは常に考え、雲行きが怪しければ見直しをするということの繰り返しが重要です。

5.顧客データや宿泊実績を分析する

予約に関する顧客データや日々の清掃管理や物品管理などの業務実績などは、しっかりデータマネジメントをすることでマーケティングに役立ったり、業務効率の改善につなげたりすることができます。このデータ分析には以下のメリットがあります。

  • 稼働率の予測をより高精度にできる
  • 客室の価格設定をより適した価格にできる
  • 集客媒体を効率よく運用できる
  • 無駄なコストを削減できる
  • 顧客満足度の向上
  • 常連客の確保
  • ロイヤルカスタマーを明確にする
  • ターゲットを効率的に見つけられる…

また、顧客データや業務データを簡単に収集し、分析できるシステム・ツールとして、PMS(ホテル管理システム)があります。予約管理や施設内の状況把握、マーケティングに繋がる情報管理など様々な機能があり、施設の業務効率化や顧客満足度の向上に役立つ、便利なシステムです。

6.システムを活用して無人化する

人件費はランニングコストの大部分を占めるため、利益率を上げるためには人件費をいかに削減するかがポイントです。
特定のスタッフにしかできないことや、わざわざ人の手で行わなければいけないこと以外については、人件費を削減できないか検討しましょう。

特に、フロント業務についてはシステムを活用した無人化を検討するとよいでしょう。予約管理などのフロント業務に特化したシステムや、無人チェックイン・チェックアウトに対応しているものもあるので、導入することで業務の効率化が期待できます。

ホテル経営で取得したい資格

ホテルの経営者はビジネスセンスを問われる場面がたくさんあります。そんな経営経営手腕を身につけるために持っていると役に立つ資格を3つ紹介します。

MBA(経営学修士)

MBAとは、経営学修士号(Master of Business Administration)のことです。MBAは資格ではなく、経営学の大学院修士課程を修了すると授与される学位ですが、経営スキルや知識を学んだという証明になります。経営に関する専門的な知識を得られ、実践的な内容も学べるため、ホテル経営に大いに役立ちます。また、経営に関する知識があることを対外的に証明できるため、信用を獲得しやすいのもメリットです。

日商簿記検定

日商簿記検定は、簿記の知識やスキルを問う資格です。そもそも簿記とは、財務諸表を作成するために、一定のルールに従って経済活動に関する記録をつけることを指します。

簿記の資格を取得することで、日々の経営活動を記録・計算・整理して、経営成績と財政状態を明らかにするスキルを身につけられます。財務諸表の読み方がわかるようになるほか、実際の経理業務を行いやすくなるのもメリットです。特に、創業当初は人手が足りず、経営者が経営の仕事を担当することもあるでしょう。取得しておいて損はない資格の1つです。

日商簿記検定

中小企業診断士

中小企業診断士とは、中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家です。中小企業診断士になるにはまず国家試験に合格し、登録する必要があります(この登録は5年間有効で、その先は更新が必要です)。

中小企業診断士の資格を取得することで、自社の経営を成功させるための知識が身につきます。外部の経営コンサルタントに依頼せずとも、経営者自ら自社の経営状況や課題を俯瞰的に分析し、改善に導くことができるでしょう。

中小企業診断士

ホテルの人件費削減におすすめのシステム

ホテルの人件費削減としておすすめのシステムが、非対面でのカウンター業務を可能にするセルフチェックインシステム「maneKEY(マネキー)」です。フロントのタブレットにかざすだけのQRコードを使ったスムーズなチェックインや、AIを活用した顔認証による本人確認により安心安全のチェックイン手続きで、利用者の安心と信頼を得ると共に業務の効率化を図ります。

まとめ

いかがだったでしょうか?知識や経験がなくても、経営についての基礎を学び、リスク管理について理解できていれば、初めてでもホテル経営は始めることができます。この機会にぜひ検討してみてください!