ホテル・旅館の5つのマーケティング施策
マーケティングには様々な施策があります。その中から、ホテル・旅館のマーケティングに必要になる5つの施策を説明していきます。
1.コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、広告ではない、価値のある情報(=コンテンツ)を利用したマーケティング方法です。
単に、こちら側の広告を顧客に届けるだけではユーザーには何もメリットがありません。しかし、先にユーザーにとって有益な情報を届けることで、ユーザーの興味を惹くことができ、自社のファン獲得に繋げることができます。
コンテンツアプローチには、動画、SNS、ブログ・メールマガジン、対面イベントなどがあります。
例えば、ホテルや旅館のホームページに、観光地の紹介動画や観光シーズンやホテル周辺のイベント情報など、観光客のニーズに沿ったコンテンツを作るのも、コンテンツマーケティングの一つです。
⇒別の記事でYoutube運用についても参照しているので、ぜひご覧ください。
2.ブランドマーケティング
ブランドマーケティングとは、ブランドの価値を高めて、自社のサービスや商品を売り込むマーケティング方法です。
ブランドマーケティングを強化してホテル・旅館の強みを強調することで、ブランドのイメージが確立され、ここだから泊まりたい！とファンになってもらうことができます。
食事やお風呂、お部屋など様々な要素から自社の強みを打ち出していくことが予約にも繋がっていきます。
また、ブランドのイメージを確立するうえで必要なのが、コンセプトです。たとえば、ラグジュアリーホテルとして知られている「星のや」であれば、「夢中になる休息」、ビジネスホテルの代表格であるアパホテルであれば「新都市型ホテル」といったコンセプトを掲げています。コンセプトがあると、そのホテルがどんな施設なのか分かりやすくなり、興味を惹くことができるでしょう。
3.口コミマーケティング
口コミマーケティングは、利用者や宿泊客からの口コミを利用して、自社の商品やサービスの情報を広げるマーケティング方法です。
ホテルや旅館を決める際に、ホテル側が発信している情報だけでなく、口コミを見て決める人は多いでしょう。口コミマーケティングは、口コミを集めて掲載すればよいだけであるため、費用がかかりにくいです。また、第三者からの感想や意見であるため、ユーザーからの信頼を獲得しやすいというメリットもあります。
また、近年はYouTubeやInstagramなどのSNSを通じて口コミを発信する機会が多いです。口コミを増やすために、口コミを書いた方に特典をお渡しするのも口コミを増やす効果的な方法につながっていきます。
4.SNSマーケティング
SNSマーケティングは、SNSを活用して運用するマーケティング方法です。SNSで検索してホテルを選ぶ方は多いでしょう。SNSを強化することで、認知や予約獲得にも繋がるため、運用は欠かせません。
マーケティングの主な特徴を2つ紹介します。
- SNSアカウント運用
- インフルエンサーマーケティング
SNSアカウント運用
SNSアカウント運用は、SNSでホテルや旅館の公式アカウントを作成し、情報を発信することです。ホテルや旅館を探すときに、多くの人は旅行予約サイトから検索して探します。近年、ホテルを決定する際には、口コミや公式ホームページを参考にする他、SNSで検索して情報を収集する人も多いでしょう。ホテルや旅館の公式アカウントがあると、部屋の中やホテルの雰囲気だけでなくホテル周辺の情報やキャンペーンなども探せることがメリットです。
インフルエンサーマーケティング
インフルエンサーマーケティングは、SNSで影響をもつ人(=インフルエンサー)にSNSを通じて製品やサービスのPRをしてもらう方法です。実際にホテルや宿に招待し、PRをSNSでしてもらうなどの方法が考えられます。口コミと同様に、実際に利用してもらうことでユーザーに近い目線で情報を発信することができます。
5.ペルソナマーケティング
ペルソナとは、自社のサービスや製品を利用する典型的なユーザー像のことを指します。また、その典型的なユーザーが思考や行動を想定して、プランをマーケティングする方法です。ペルソナを設定する際は、宿泊者の具体的な人物像について考えましょう。
- 年齢・性別
- 居住地
- 職業・年収
- 趣味
このように、ターゲットを絞ってペルソナを設計することで、戦略を立てやすくなります。
さらに、以下のように複数のシチュエーションを検討することも大切です。
- ビジネス利用
- 家族旅行で利用
- 恋人や友人で利用
- 一人で利用
ペルソナが求めているプランやサービスを明確にすることで、確実に売り出すことができます。
ホテル・旅館がマーケティングを工夫する重要性
今やホテルや旅館を探すには、インターネットが主流になっています。SNSで口コミを見たり、体験レポートを参考にしたりして、宿を決める人も多いです。
全国には、5万ものホテルや旅館が存在していると言われています。その中で生き残って行くためには、マーケティングを工夫して、集客を増やしていかなければなりません。
ホテル・旅館マーケティング成功事例9選
では実際のホテル・旅館でどのようなマーケティング施策によって成功することができたか、成功事例を9つ紹介します。
1.FAV HOTEL
FAV HOTELは、北は北海道、南は熊本と全国で11施設の展開があるホテルです。暮らすように泊まるをコンセプトに、2〜6名のファミリー層をターゲットにしています。
こちらのホテルはInstagramが魅力的で、フォロワーが4.1万人います。(2023年9月14日時点)美しい写真でユーザーを惹きつけており、英語での投稿も多いため、インバウンドにも対応しています。
2.ホテルニューオータニ
ホテルニューオータニは、国内に13のグループホテル、国外に1つのホテルを展開しているホテルです。すでに有名なホテルではありますが、宿泊だけでなくウェディングやアフタヌーンティーなどでも有名です。こちらのホテルは、HPがとても充実しているのに加えて、Instagramも積極的に活用しています。
3.ホテル サンリオット北浜
ホテルサンリオ北浜は大阪に展開するホテルです。こちらのホテルは、内装がポップでかわいらしく、Instagramも若い世代にささるような可愛らしい投稿が多いです。また、こちらのホテルはフォロワーの多いインフルエンサーからホテルのPRをしてもらう「インフルエンサーマーケティング」に力を入れており、SNS運用も工夫しています。
4.MIMARU 京都 STATION
MIMARUは京都・東京・大阪の3都市で展開しているアパートメントホテルです。みんなで一緒に泊まるをコンセプトに最大で10名も泊まれるお部屋や京都駅から徒歩2分という立地も魅力的です。また、多国籍スタッフや多言語通訳アプリを活用したり、Instagramでも外国人向けの投稿をしたり海外からのお客様も泊まりやすい環境を作っています。
5.ロテルド比叡
ロテルド比叡は京都の比叡山の近くにあるホテルです。山の上にあり、自然を満喫することができ、宿泊者限定の体験プランも魅力的です。
AI機能ですぐに対応することができ、会員登録することでレイトチェックアウトやアーリーチェックインなどのサービスを受けることができ、リピーター獲得にも繋げることができます。
6.アスコット丸の内東京
アスコット丸の内東京は、大手町駅直結のホテルです。このホテルは長期滞在プランを導入しており、24時間電話対応で健康と安全に対するサポートがあることやプールやジム、簡易キッチンなど長期滞在しやすい環境が整っています。
7.KAIKA 東京 by THE SHARE HOTELS
KAIKA東京は浅草にあるアートホテルです。このホテルは、建物内にアート作品を公開する収蔵庫があるのが特徴です。日本文化を感じながら宿泊できるのは、海外の方も泊まりたくなるようなホテルとなっています。
8.鳳明館 森川別館
鳳明館森川別館は、東京にある旅館です。江戸屋敷だった由緒ある立地に構えている鳳明館ですが、こちらでは面白いアイデアの宿泊プランが人気です。「日帰り文豪缶詰プラン」では、宿泊客が作家となり、旅館従業員が担当編集者になりきり、進捗コールや見張り体験など普段体験できないようなサービスを体験することができます。
文学好きにささり、面白いプランを打ち出すことで認知も広がります。
9.星野リゾートOMO5
星野リゾートOMOは、全国で16施設展開しています。今回紹介するのは、OMO5東京大塚です。こちらのホテルは、立地ならではのディープなツアー、その名も「ご近所アクティビティ」が名物です。中でも大塚はしご酒ツアーは、案内ガイドのOMOレンジャーと一緒にディープなお店を楽しみながらはしご酒をすることができます。ただ宿泊できるだけでなく、その地域のことを知りながらアクティビティを楽しめるのが、観光客が惹かれるポイントです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。9つ紹介しましたが、どの施設にも惹かれる強みがありました。
- ホテル・旅館の強みを見つける
- ユーザーのニーズにあったコンテンツをHPやSNSで発信する
- 口コミをもらうことでリピーターを増やしていく
- ターゲットを絞って、具体的な戦略を打ち出していく
このポイントを忘れずに、ユーザーにとってより良いサービスを提供できるようマーケティングに力を入れていきましょう。
また、ホテル経営に成功するためには、マーケティング強化以外にも、利益率を向上させることも重要です。
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