コラム, ホテル経営

インバウンドの今こそホテル経営に挑戦!開業方法や成功のポイントを解説

コラムホテル経営

新型コロナウイルスの影響が落ち着き、日本人旅行客・外国人旅行客ともに増加しています。特に、インバウンド需要は真っ盛りで、外国人観光客の宿泊数が急増しています。インバウンドの今こそ、ホテル経営のチャンスです。

今回は、ホテル経営に必要な資格や開業のステップ、ホテル経営で導入したい便利なシステムなどを紹介します。ホテル経営にチャレンジしたい方は、ぜひご覧ください。

ホテル経営は儲からない?


「ホテル経営は儲からない」という説を聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。

確かに、ホテル経営が景気に左右されやすく、ランニングコストもかかります。業界動向サーチの「ホテル業界 利益率ランキング」によると、2021〜2022年に最も利益率が高かったのは、藤田観光で44.4%でした。上位3社の利益率は20%を超えているものの、多くのホテルで10%未満という結果です。

参考:業界動向サーチ「ホテル業界 利益率ランキング」

このように、ホテル経営は利益率が低く、成功するためには集客やマーケティング、業務効率化を工夫する必要があります。ハードルが高いことから、ホテル経営は儲からない、と言われやすいのです。

しかし、成功して人気ホテルになれば、十分な売上を確保できるでしょう。特に、現在はインバウンド需要が高まっており、インバウンドに対応すれば、外国人観光客の集客を期待できます。

ホテルの4つの経営形態


ホテル経営というと、自身で土地を購入してホテル用の建物を建て、ゼロから経営をスタートするというイメージを持っている方もいらっしゃるでしょう。しかし、ホテルには4つの経営形態があり、中には開業のハードルが低い形態も存在します。

  • 所有直営方式
  • 管理運営受託方式(マネジメント・コントラクト方式)
  • リース方式
  • フランチャイズ方式

 

比較的始めやすい形態もあるため、自身が経営したいホテルの理想像やかけられる初期費用などを考慮して、ニーズにあった経営形態を選びましょう。

所有直営方式

所有直営方式とは、ホテルの運営母体の会社が土地と建物(ホテル)所有する運営方式のことです。ホテル経営のスタンダードな形態といえます。帝国ホテルやプリンスホテルといった、国内の有名ホテルも、所有経営方式を採用しています。

所有直営方式のメリットは以下のとおりです。

  • 運営側が不動産を所有しているため、融資の際に金融機関からの評価されやすい
  • 利害が対立する関係者がいないため、柔軟かつ自由度の高い経営が可能

資金的に体力のある大企業が母体になることが多いですが中には個人が所有する建物を利用して、ペンションや民宿などを運営しているケースもあります。トレンドや顧客ニーズに合わせて、独自で増改築が可能であり、機動力を持った戦略が立てられるのが魅力です。

管理運営受託方式

管理運営受託方式(マネジメント・コントラクト方式)は、建物と土地を所有する法人が、ホテル運営を代理企業に委託する方式のことです。所有直営方式と異なり、建物と土地の所有者と、実際のホテル運営者が異なります。委託を受けた企業は、支配人やスタッフを派遣し、マネジメントを行う仕組みです。

実際に管理運営受託方式に取り組んでいるホテルとしては「星野リゾート」「ホテルJALシティ」などがあり、国内トップホテルでも採用されているのが特徴です。

管理運営受託方式のメリットは以下のとおりです。

  • 運営業務に特化しやすい
  • 運営業務をプロに依頼できる
  • 保有する不動産をホテルとして活用したい方に適している

 

リース方式

リース方式とはオーナーが土地と建物を貸し出し、運営会社が借りた建物と土地を用いてホテル経営を行う方式です。運営側は、オーナー側に利益の一部を支払うのが一般的です。

たとえば、国内で人気を誇るビジネスホテル「東横イン」は、リース方式を採用しています。

リース方式のメリットは以下のとおりです。

  • 運営時に不動産を購入したり新設したりする必要がない
  • 不動産を準備する資金がなくても、ホテル経営を始めやすい

 

フランチャイズ方式

フランチャイズ方式とは、知識やブランド力などを持つ運営会社(本部)が、オーナーにノウハウやブランド力を提供し、オーナーがホテル運営を行う方式です。フランチャイズ方式は、ホテルだけでなく、飲食店やコンビニエンスストアなどでも広く採用されています。

オーナーは本部のサポートを受けながら開業し、本部のロゴやブランド名を用いてホテルを運営します。運営やスタッフ教育のマニュアルも完備されていることがほとんどで、ホテル経営ノウハウがなくても、ホテル経営に挑戦できるでしょう。

オーナーは、ノウハウやブランド力などの対価として、利益の一部をロイヤリティとして本部に支払うケースが一般的です。

フランチャイズ方式のメリットは以下のとおりです。

  • ブランド力を活かせるため、開業初期から軌道に乗せやすい
  • 手厚いサポートで、ホテル開業初心者にも挑戦しやすい

 

ホテル経営のビジネスモデル

都市イメージ
ホテルの収益源は、主に以下の3つに分かれます。

  • 宿泊:ホテルに宿泊してもらい、宿泊にかかった料金をサービス料を得る
  • 料飲:ホテル内のレストランやバー、ルームサービスなどでの飲食代金を得る
  • イベント:ホテルの会議室や宴会場をイベント主催者に貸し出し、場所代を得る

 

各部門ごとの主な売上構成は、一般的にはそれぞれ3:3:3と言われており、これらの収益をバランスよく確保できるような体制を整えることが大切です。

ホテルの経営を始めるうえで必要な準備


ホテル経営を始めるにあたって、以下の準備が必要です。

  1. 事業計画を立てる
  2. 開業資金を確保する
  3. 旅館業の営業許可を取得する

 

1.事業計画を立てる

ホテル経営に限らず、事業を興す際に必要なのが事業計画の策定です。事業計画では、どのようなサービスを提供するか、競合との差別化はどうするか、価格帯はどのくらいにするかなどを明らかにし、利益予測や資金繰りといった財務面の見通しも立てます。

事業計画は、今後の見通しを立てるために必要です。さらに、金融機関から融資を受けたり、補助金や助成金の審査の際に必要になったりする場合もあります。さらに、今後経営判断を下す際や、事業開始後の進捗管理にも活用できるため、必ず作成しましょう。

2.開業資金を確保する

ホテルの開業にあたって、開業資金が必要です。事業計画をもとに、必要な開業資金を見積もりましょう。

開業資金は、開業するホテルの経営形態や事業内容、規模などによって大きく異なります。建設・リフォーム費用や人件費、広告宣伝費などを合わせて、約1,500〜3,000万円が目安です。立地や規模によっては、数億円以上必要になることもあります。

開業資金を全額自己資金から賄えない場合は、外部から資金調達する必要があります。金融機関から融資を受けるのが一般的です。

資金調達の際は、補助金や助成金を使える可能性があります。ホテル開業で使える補助金について、詳しくは以下をご覧ください。

【2023年最新】ホテル開業時に使える補助金を解説!〜事業に関する補助金編〜

3.旅館業の営業許可を取得する

旅館業を営む場合は、旅館業の営業許可を取得する必要があります。営業許可なく無断でホテルを運営すると、6ヶ月以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、または懲役と罰金双方に処せられ、罰則の対象となるため注意が必要です。

旅館業とは、旅館業法で定められた「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」のことです。旅館業の判断基準としては、以下の4つが挙げられます。

  • 宿泊料徴収の有無
  • 社会性の有無
  • 継続反復性の有無
  • 生活の本拠かどうか

 

基本的に、宿泊料を徴収して部屋に宿泊してもらうホテルは、すべて旅館業に該当すると考えて問題ないでしょう。

旅館業は、さらに以下の3つに分かれます。

  • 旅館・ホテル営業:宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、簡易宿所営業及び下宿営業以外の施設のこと。
  • 簡易宿所営業:客室を多人数で共用する宿泊施設のこと。カプセルホテルや山小屋など。
  • 下宿営業:1ヶ月以上の期間を単位とする宿泊料を受ける宿泊施設のこと。

 

旅館業の許可申請の方法は、都道府県によって異なります。基本的には、以下のステップで行いましょう。

  1. 保健所や保健福祉事務所などに事前相談
  2. 証明願の手続き
  3. 申請書類や添付書類の提出
  4. 現地調査・施設の構造設備の検査
  5. 許可証の交付および営業開始

 

詳しくは、以下の記事をご覧ください。

ホテル経営に必要な許認可とは?許認可の一覧から申請方法まで解説

ホテル経営に成功するためのポイント

パソコンを操作する手
ホテル経営に成功するためには、以下の2つのポイントを重視しましょう。

  • ターゲットを明確化する
  • 業務効率化を重視する

 

ターゲットを明確化する

ホテル経営を行う際は、ターゲットを明確化しましょう。ターゲットによって、適切な立地や設備、サービス内容や価格設定などが大きく異なります。

たとえば、ビジネス利用をターゲットにする場合は、駅前にホテルを構えることが大切です。宿泊費用を高額にしてしまうと、会社が定める経費の上限をオーバーしてしまい、利用してもらえない可能性があります。付近のビジネスホテルの相場を参考に、適切な価格を設定する必要があります。ゲットによって、適切な立地や設備、サービス内容や価格設定などが大きく異なります。

周囲のビジネスホテルと差別化するために、女性専用の部屋を設けてアメニティを充実させたり、マッサージチェアを設置したりするのも効果的です。ターゲットによって、適切な立地や設備、サービス内容や価格設定などが大きく異なります。

このように、まずはターゲットを明確化して、具体的なビジネスプランを考えていくことで、ターゲットのニーズにあったホテル設計を実現できます。

業務効率化を重視する

利益率を上げるためには、業務効率化が重要です。特に、人件費の削減に注力するのが有効です。

たとえば、フロント業務をセルフチェックインシステムを使って自動化することで、フロントにスタッフを常駐させる必要がなくなります。最近では、インバウンドに対応できるよう、外国語が堪能なスタッフを配置するホテルも増えています。多言語対応のセルフチェックインシステムを導入したり、翻訳システムを導入したりすれば、人件費をなるべく抑えて利益率向上が期待できるでしょう。

ほかにも、予約管理やバックオフィス業務全般を一元管理できるシステムも存在します。システムをうまく活用して、業務効率化を達成しましょう。

ホテル経営において取得しておきたい資格


ホテル経営において、資格の取得は必須ではありません。しかし、接客や経営に関する以下のような資格を取得すると、実務に役立つでしょう。

  • ホテル実務技能検定試験
  • ホテルビジネス実務検定
  • サービス接遇検定
  • レストランサービス検定
  • 語学に関する資格

 

また、ホテルの設備によっては、以下の資格を持つ方を配置する必要があります。

  • 食品衛生責任者:ホテルにレストランを設けたり、ルームサービスで食事を提供する場合に必要
  • 危険物取扱者:ホテルでボイラー燃料を保管する場合に必要
  • 消防設備士:消火器や火災警報器、避難はしごなどを設置する場合に必要

詳しくは、以下の記事をご覧ください。

ホテル経営に資格は必要?資格や成功のポイントを解説!

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