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ホテルの求人広告の書き方は?法律に則った書き方とコツを解説!

コラムホテル経営

近年、ホテル業界では人手不足が続いております。そこで、ホテル業界における人手不足解消のために、ホテル業界における求人広告の書き方と魅力的な求人広告を出稿するポイントについて解説します。ぜひ最後まで読んでみてください!

 

1.ホテルの求人広告とは

ホテルの求人広告とは、自社の募集要項(業務内容・人物像・給与・福利厚生など)を記載し、求人サイトや採用ホームページ上などに掲載したものです。求人広告を見た求職者からの応募を待ちます。

求人サイトには同じ求人広告媒体を利用している同業他社が並びます。求職者は、その中から自分が応募したい求人を探し、「ウェブ上からの応募・電話で直接応募・メールフォームから応募など」を行い、選考にエントリーする流れです。

求人広告の掲載先には、無料で掲載できる媒体から有料のものまで幅広く存在します。近年では、報酬を先に払わず、成果を収めてから費用を払う成果報酬型や、月に一定の金額を支払えば何度でも掲載できるサブスクリプション(月額利用)など、さまざまな料金形態が存在します。

 

2.求人広告の書き方

ホテルの求人広告には、すべての情報を掲載できるわけではありません。特に求人サイトに出稿する場合は、字数や画像などに制限があります。また、長すぎる原稿は、求職者には読んでもらえないでしょう。ここでは、求職者に刺さる求人広告を書く方法について解説します。

 

2-1 採用するターゲットを決める

採用するターゲットを明確にすることで、具体的な人物像が明確になります。

採用するターゲットを決める際は、採用担当者だけで考えるのではなく、必ず社内でミーティングをし、どの部署にどのようない人材が欲しいのかを明らかにしましょう。

また、ターゲットは「明るい人」「真面目な人」のような曖昧なものではなく、「〇〇の経験が◯年以上ある」「〇〇の資格を保有している」のように、具体的に定めることが大切です。

 

2-2 伝えたいメッセージを整理する

自社で定めたターゲットに向け、どのようなメッセージを伝えるかを決めます。
ここで伝えるメッセージは、求人タイトルやキャッチコピーなど、求職者を惹きつけるために重要な要素になるため、時間をかけて言葉を選びましょう。

メッセージを決めるにあたり、まず行うことは同業他社のキャッチコピーをリサーチすることです。同業者をリサーチすることで、良い部分を参考にできたり、他社にない要素を追加できたりします。

そして、自社の信念や魅力を洗い出した中で、同業他社と異なるキャッチフレーズを選定してみましょう。

 

2-3 必要事項を記載する

求職者の個人情報を収集する際には、業務の目的を明らかにしなくてはなりません。

求職者の個人情報を収集する際には、求職者等が一般的かつ合理的に想定できる程度に具体的に、 個人情報を収集・使用・保管する業務の目的を明らかにする必要があります

職業安定法では、求人募集を行う際は以下の9項目を記載することが義務付けられています。

 

  • 業務内容
  • 契約期間
  • 試用期間
  • 就業場所
  • 始業・終業の時刻、時間外労働の有無、休憩時間、休日
  • 賃金
  • 加入する保険
  • 労働喫煙防止措置
  • 募集者の氏名または名称(株式会社〇〇など)
  • 派遣労働者として雇用する場合はその旨を記載

 

この時、誤解を生じさせる表示をーすることが必要です。虚偽の表示ではなくとも、一般的・客観的に誤解を生じさせるような表示は、「誤解を生じさせる 表示」に該当します。例えば以下のような点に留意してください。 また、求人情報の提供の段階でも、労働条件として明示すべき項目をできる限り含めた形で提供することが望ましいものです。

出典:厚生労働省「労働者の募集ルールが変わります」

2-4 魅力をアピールする事項を追記する

魅力をアピールすることは最重要と言っても過言ではありません。
前述で何度もお伝えした通り、自社で働く魅力をアピールすることで求人は集まります。魅力が伝わらない求人広告では、他社と差別化ができません。

ホテル業界は人手不足が続いており、多くのホテルで人手を欲しているため、人材獲得をめぐって熾烈な争いが起こっています。自社で働くメリットや募集職種の魅力を最大限伝え、アピールをしましょう。

 

3.ホテルの求人広告を作成する際のポイント

ホテルの求人広告を作成する際のポイントを下記の3つに分けて紹介します。

 

  • 働くメリットをアピールする
  • 求める人物像を具体的に記載する
  • 適切な媒体に求人広告を記載する

3-1 働くメリットをアピールする

働くメリットをアピールする際は、他社とは違う独自性のあるメリットをアピールし、競合と差別化しましょう。

働くメリットの具体例としては、福利厚生が挙げられます。福利厚生の手厚さにおいては特別休暇(アニバーサリー休暇・イベント休暇)などが推奨されていることや、職場で健康面を考慮したお弁当の配布などです。

このような自社でしかアピールすることのできないメリットを最大限に引き出し、アピールしてみてください。

 

3-2 求める人物像を具体的に記載する

ここでは、求める人物像を具体的に記載するポイントを3つ、具体例を踏まえて解説します。

1つ目は、必要条件です。
必要条件ではこれだけは満たしていないと選考にエントリーすることの出来ない要項です。
例)高卒以上・大卒以上など

2つ目は、歓迎条件です。
歓迎条件では選考を通じて優遇するポイントを記載します。
例)グループディスカッションにおけるリーダーシップなど

 

3つ目は、求める人物像です。
求める人物像では、自社の考える方向性などを伝えることでミスマッチの防止を行います。
例)企業理念とマッチした性格など

 

3-3 適切な媒体に求人広告を掲載する

欲しい人材を獲得するためには、ターゲットに合った適切な求人媒体で掲載する必要があります。そこで、代表的な求人媒体を3つ紹介します。

 

  • 求人サイト、求人エンジン
  • 紙媒体
  • その他

 

1つ目は、求人サイト、求人エンジンです。

求人サイト、求人エンジンは、インターネットを通して求人情報をweb上に掲載し、求職者からの応募を待つ方法です。近年、採用活動における主流の媒体となっています。
求人サイトや求人エンジンのメリットは、多くの求職者が目にするため、求職者を集めやすい点です。また、求人広告に記載できる情報量が多く、ことや文章だけでなく、画像や映像を使ってアプローチできます。

求人サイトや求人エンジンの代表例は「Indeed・リクナビNEXT・マイナビ転職・エン転職」です。

 

2つ目は、紙媒体です。

紙媒体は、求人情報誌や新聞折込チラシやなどへ掲載を行い、求職者からの募集を集める方法です。
これまで、求人媒体のメインは紙媒体でした。しかし近年の主流はwebになりつつあります。その要因としては、ターゲットを明確に絞りやすく、手間やコストをかけずに採用を行えるのがwebなためです。

一方、年齢層が高めの層を採用したい場合は、紙媒体の方が馴染みがあり、求人広告を見てもらえる可能性が高いです。また、多くの方の目に触れるため、一定数以上の人に掲載情報を見てもらうことが出来ます。

紙媒体の代表例としては、「求人情報誌・新聞折込チラシ」があります。

 

3つ目は、その他です。

 

その他では、web・紙媒体の両面を持つハイブリットタイプや、オウンドメディアやSNSを活用した採用について紹介します。
一例としては、タウンワークがあります。コンビニなどに立ち寄った際に多くの人が1度は手に取ったことがあるでしょう。タウンワークではハイブリット型を推奨しており、web上でも媒体を設けており、紙媒体でも名の知れた求人媒体となっています。

また、近年はSNSやオウンドメディアを用いた採用が流行しています。SNS採用はソーシャルリクルーティングと言われており、TwitterやInstagramなどの様々なSNSを通して採用活動を行います。

 

4.ホテルの求人広告を作成する際の注意点

ホテルの求人広告を作成する際の注意点を下記の3つに分けて紹介します。

 

  • 関連する法律を理解する
  • 求める人物像は書きすぎない
  • 良い面だけ書こうとしない

 

4-1 関連する法律を理解する

関連する法律として「職業安定法・男女雇用機会均等法」を解説します。

「職業安定法」では、虚偽の表示・誤解を生じさせる表示はしてはなりません。また、以下の措置を行うなど、求人情報を正確・最新の内容に保たなければなりません。

 

  • 募集を終了・内容変更したら、速やかに求人情報の提供を終了・内容を変更する。
  • 求人メディア等の募集情報等提供事業者を活用している場合は、募集の終了や内容変更を反映するよう依頼する。
  • いつの時点の求人情報かを明らかにする。
  • 求人メディア等の募集情報等提供事業者から、求人情報の訂正・変更を依頼された場合には、速やかに対応する。

出典:厚生労働省「職業安定法 改正のポイント」

「男女雇用機会均等法」は、誰もがその能力を十分に発揮し、仕事と家庭を両立させながら働くことができる社会を目指して、採用判断の際は、男女どちらかを優遇してはならず、求人広告にも差別するような内容を掲載してはいけないのです。

以下のサイトには、男女雇用機会均等の確保や、多様な働き方のニーズに対応した就業環境づくりを推進する厚生労働省雇用環境・均等局の施策情報が掲載されています。

出典:e-Govポータル「雇用環境」

 

4-2 求める人物像は書きすぎない

求める人物像を記載する要因は、ミスマッチを防ぐためです。採用活動を行うにあたり、自社が求める人物像を明らかにしないまま採用を進めてしまい、ミスマッチが発生してしまう企業が多く存在します。

しかし、求める人物像を書きすぎても、応募のハードルが上がってしまい求職者は集められないでしょう。特に人柄の部分は、実際に会ってみないと判断しきれません。応募時にスクリーニングしすぎないよう、求める人物像は書きすぎないことが大切です。

 

4-3 良い面だけを書こうとしない

求人広告において良い面だけ強調しすぎてしまうと、かえって逆効果となる恐れがあります。そして、良い面ばかり書いてしまった場合入社後にミスマッチとなってしまい、早期退職ということになってしまうので、良い面ばかり記載することは控えましょう。

 

まとめ

今回は、ホテルの求人広告の書き方について解説をしてきました。ホテルの求人を掲載する際は、今回お伝えした多くの戦略や法律に則り、求人広告を出稿してみてください。

 

また、ホテル業務を全体的に円滑にするためにおすすめのサービスを紹介したいと思います。そこで紹介するのは「セルフチェックインシステム」です。

 

セルフチェックインとは、従来のチェックインシステムとは異なり事前にチェックイン作業をインターネットなどを用いて済ますことが出来るシステムのことを指します。そして、ホテル到着後はアプリなどでQRコードをかざすことでスムーズなチェックインをすることができます。ぜひ、こちらも参考にしてみてはいかがでしょうか!