「ホテルを開業したものの、なかなか客足が伸びずに困っている」
「近隣エリアに宿泊施設が増え、お客さんを取られてしまっている」
ホテル経営にこのような悩みがある場合は、ホテル経営の成功事例を知り、参考にできる点を取り入れることが大切です。現在は華々しく成功しているホテルも、当初は宿泊客の獲得に苦労したり、新型コロナウイルスのピンチで客足が落ち込んだりと、苦難の時代がありました。ピンチをどのようにチャンスに変えたのか、具体的な事例をもとに学びましょう。
今回は、国内で大成功をおさめ、知名度の高いビジネスホテルとしての地位を築いている「アパホテル」の事例を紹介します。
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ビジネスホテルの代名詞・アパホテルとは
アパホテルは、全国に695ホテル、海外に41のホテルを構える、巨大なホテルチェーングループです。運営するアパグループは、ホテル事業をはじめ、マンション事業や賃貸事業、広告事業など、幅広い事業を手がけています。
「ビジネスホテルといえばアパホテル」というイメージを持っている方も多いでしょう。実際、駅前には必ずと言っていいほどアパホテルがあり、その規模の大きさが伺えます。
このように、ビジネスホテルの代名詞としての地位を確立しているアパホテルは、実は創業以来51年間黒字経営を続けているのも特徴です。新型コロナウイルス感染症が流行し、宿泊業界が落ち込んだ際にも、アパホテルは強気の経営判断を続けました。大幅な減収減益ではあったものの、黒字をキープしたのです。
以下では、アパホテルが成功した理由を、5つのポイントにわけて解説します。
ポイント1:500円キャッシュバックでビジネス客の利用を促進
「ビジネスホテルといえばアパホテル」というブランディングを確立するにいたった理由として、アパホテル特有の「500円キャッシュバックシステム」が挙げられます。アパホテルは、宿泊料金を500円高く設定し、その分を宿泊客にキャッシュバックしているのが特徴です。
これは、会社の経費で宿泊するビジネス利用客に目をつけた施策です。ビジネス利用の場合、会社から予約するか、予約代金を領収書とともに経費申請し、会社のお金で宿泊することになります。宿泊するホテルは、一定の条件内であれば、社員が選べる場合がほとんどです。
500円キャッシュバックでは、宿泊代金と相殺されるわけではありません。500円分のクオカードを宿泊客に配布する仕組みです。会社によっては、500円程度であれば、福利厚生の一環として社員のものにすることを認めています。つまり、アパホテルに泊まることによって、ビジネス利用客は500円をゲットできるのです。
そのため、周囲に似たような条件のホテルが多かったとしても、「500円もらえるからアパホテルにしよう」と、選んでもらえる可能性が高まります。差別化が難しいビジネスホテルにおいて、独自の施策でビジネス利用を促進させた、画期的な事例です。
ポイント2:予約サイトを自社で開発し、ベストレートを保証
アパホテルは、自社で予約サイトを開発しています。そして、ベストレート(自社の予約サイトからの予約が最もお得になる)を保証し、外部のサイト経由での予約を減らしているのが特徴です。
外部の予約サイトに登録すると、情報の掲載料金や、予約成立に関する手数料など、コストがかかります。手数料は10〜20%程度に設定されていることが多く、利益率の低下に影響します。
アパホテルは、自社サイトで「ベストレート(最安値)にて予約できます。」と明言しており、エリアや目的地、プランなどによって、すぐに近くのアパホテルを予約できるように設計されています。会員が簡単に利用できるアプリもあり、アプリからも気軽に予約可能です。
ポイント3:アパ社長カレーで大成功
アパホテルで人気を集めているのが、「アパ社長カレー」です。アパ社長カレーは、アパホテル発祥の地である石川県の金沢カレーをベースにした、本格派のビーフカレーです。アパホテル直営レストランで生まれた商品であり、2020年12月には700万食を達成しました。
アパ社長カレーが注目を集めたのは、味だけではありません。インパクトを重視し、社長の顔が印刷されたパッケージを採用しています。フロントに置くことで、宿泊客の目に留まり、お土産として買ってもらえるようにしているのです。390円という手に取りやすい価格も、売れている理由の1つです。
さらに、社内のパーティーやゴルフコンペの景品など、「使い勝手のいい商品」として選ばれているのもポイントです。予算内で調達でき、もらった側にとっても嬉しい景品としても広く利用されています。
ポイント4:コロナ禍でも積極的な施策
長引く新型コロナウイルスの影響で、ホテルをはじめ観光・宿泊業界は大打撃を受けました。ホテル運営には多くの固定費がかかるため、撤退を余儀なくされた企業も少なくありません。
そのような中で、攻めの姿勢を見せたのがアパホテルです。アパホテルは、厚生労働省や都道府県の要請を受け、陽性者の宿泊療養施設、および海外からの入国・帰国者が一時的に滞在する施設として、一棟貸し出しを実施しました。
さらに、テレワークが増加したことを受け、「テレワーク応援日帰りプラン」を打ち出しました。これは、朝8時から夜7時まで最大11時間、5日間連続で利用できるプランです。テレワークを余儀なくされたが、さまざまな事情から家での業務が難しい方をターゲットに、お得な日帰りプランを導入したのです。
ほかにも、「新型コロナウイルスに負けるなキャンペーン」として、アパホテルの公式サイト・アプリからの予約限定で税込2,500円で泊まれるプランを販売し、コロナという逆境をチャンスに変えました。
結果、減収減益ではあったものの、黒字を維持したのです。
ポイント5:セルフチェックインシステムで効率化
アパホテルは、セルフチェックイン機を早々に導入した企業でもあります。
ワンストップで顧客対応ができるように、さらに人手不足に対応できるように、2010年からセルフチェックインシステムを導入しています。公式サイトでは「アパトリプルワン111」と銘打っており、セルフチェックインシステムにより、1秒チェックインを実現しています。
セルフチェックインシステムによって、フロント業務に配置する人員を減らせ、人件費の削減、ひいては利益率の向上につながります。スタッフ全員が正社員である必要もなくなり、スタッフ教育にかかる期間も短縮できます。
さらに、ホテルによってサービスの質に差が生じてしまうことがなくなり、顧客満足度の向上につながるのもポイントです。人が対応すると、どうしてもサービスの質に差が出てしまいます。同じアパホテルでも、宿泊するホテルによって受けられるサービスが変われば、「アパホテルなら快適に泊まれる」という信頼を獲得することはできません。セルフチェックインシステムなら、サービスの質を均一化できるため顧客満足度の向上につながります。
ホテル経営の効率化にはセルフチェックインシステムがおすすめ!
今回は、ホテル経営に役立つポイントが多く詰まった、アパホテルの成功事例を紹介しました。アパホテルは、単なる宿泊施設という枠組みを超え、画期的なアイデアで多くの利用客を獲得し続けています。売上増加はもちろん、予約サイトの内製化やセルフチェックインシステムの導入など、コストを削減し、利益率を高めているのもポイントです。
ホテル経営に成功するためには、利益率アップに向けた施策が欠かせません。ホテル経営を効率化したい方には、セルフチェックインシステムの導入が効果的です。
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