2021年も依然として日本国内で猛威を振るっている新型コロナウイルス(COVID-19)ですが、現在の海外の状況はどうなっているのでしょうか?
感染者数が多い国をメインに各国の状況や感染防止対策を紹介していきます。
世界のコロナ事情
現在世界全体の感染者数は米ジョンズ・ホプキンズ大学の集計より、約9510万人となっています。(2021年1月18日現在)
世界の中で最も感染者数が一番多い国は、アメリカ合衆国で、約2400万人。
ワクチン接種などが随時進められていますが、連日20万人前後のペースで感染者が増え続けています。
その次に多い国はインドで約1060万人、続いてブラジルの約850万人となっています。
その他の国に関しては以下の表を参照してください。
感染者数の多い主な国(18日午後3時 厚生労働省)
感染者数 | 死亡者数 | |
米国 | 23,933,368 | 397,574 |
インド | 10,571,773 | 152,419 |
ブラジル | 8,488,099 | 209,847 |
ロシア | 3,530,379 | 64,601 |
英国 | 3,405,740 | 89,429 |
フランス | 2,969,091 | 70,422 |
トルコ | 2,387,101 | 23,997 |
イタリア | 2,381.277 | 82,177 |
スペイン | 2,252,164 | 53,314 |
ドイツ | 2,050,129 | 46,901 |
各国の感染対策
日本国内と比較すると桁違いの感染者数である海外各国。
感染対策や国内の状況はどうなっているのでしょうか?
特に感染者数が多いアメリカ、インド、ブラジルに着目して紹介していきます。
アメリカ
現在アメリカの累計感染者数は2400万人で世界全体の感染者数の約25%がアメリカでの感染者となります。
また、国内の一日での新型コロナウイルス死亡者数が4500人にのぼりました。これは、1分間で3人のアメリカ人が命を失った計算になります。
これはクリスマス休暇の人の移動に伴ったものだと考えられ、連日ハイペースで感染が拡大しますが、ワクチンの接種などは計画通り進んでおらず、収束の糸口が見いだせていません。
先日行われた大統領選挙中は、人々が集まってしまうことが多く、感染拡大につながってしまったと考えられます。
医療機関への負担は各地で高まっており、西部カリフォルニア州の大都市ロサンゼルスでは、病床の空きがわずかになり、遺体を安置する施設の余裕もなくなっているとして、保健当局の責任者が「医療崩壊の寸前だ」と訴えています。
この現状に、各州は空き病床の状況を見て各自の都市封鎖や規制を実行しています。
公園やビーチにも同じ制限を課されており、集会は禁止、住民らは自宅にとどまり、他の家庭との交流を最低限にするよう求められています。
アメリカの渡航事情
現在、米国疾病予防管理センター(CDC)は日本の感染症危険情報度をレベル4(渡航延期勧告)としています。
例えば、感染が拡大しているニューヨーク州では、日本から米国へ渡航する方は入国から14日間の自己隔離措置を取っています。到着3日前までにPCR検査を受け陰性であり、到着後4日以内に再度PCRを受け陰性である確認をするなど厳重な体制です。
感染が拡大する州から、ニューヨーク州、ニュージャージー州、コネチカット州の3州への移動者に対しては国内の移動であっても14日間の隔離や、場合によっては罰金を科す勧告がされています。
また、日本〜ニューヨーク間を結ぶ直行便は、一部の運休、減便、時間変更などの対応をしつつ運航しています。
インド
インドでは1月30日に初めて感染者が確認され、6月以降急速に感染が拡大し、7月6日にロシアの感染者数を超え、アメリカ、ブラジルに続く世界で3番目に感染者が多い国となりました。
現在では、確認されている国内感染者数が約1060万人、死者数は15万人で、世界2位になってしましました。
現在は一日の感染者数は減少傾向にあり、感染者数がピークだった9月17日と比較すると、15%ほどに抑えられています。
しかし、15%といっても一日に約1.5万人の感染者が報告されています。
インドの感染者数が増大した理由として考えられるのは4月の時点での検査と感染者の隔離が十分に実効性がなかったためであると考えられます。
4月は検査数が少なかったため検査されなかった感染者によって感染が拡大されたようです。
インドでは2020年3月25日にロックダウンを始め、6月1日からは段階的ロックダウンが解除となり、1カ月ごとに4回に分けて活動制限の解除を進めてきました。
このロックダウンは都市間の移動制限のみならず、食料品や薬局等の生活必需品に関する店舗以外の営業禁止など、非常に厳しいものでした。
その後、9月30日に全土での新型コロナウイルス対策における活動制限に関し、活動再開にかかるガイドラインが発令されました。
ガイドラインによりわずかに残っていた活動制限が10月15日以降、ほぼ全面的に解除されることになったが、各自治体が指定する感染者の多い「封じ込めゾーン」と呼ばれる地域内でのロックダウンは10月31日まで継続していました。
感染者が増加する中、インド政府によるロックダウンの緩和は、ロックダウンの長期化による経済活動の停滞を防ぐことが目的であったと考えられます。
インド渡航状況
インドでは2020年10月22日から観光目的の外国人の入国を禁止しています。
ほかにも、日本、韓国籍のアライバルビザの一時停止や、電子ビザ(E-VISA)、観光ビザ、医療ビザを除き、発行済の全てのビザを再有効化する、など渡航が難しい現状に合わせた政策がとられています。
観光目的以外でインドに入国した場合は、最初の7日間は政府指定施設で隔離措置後、さらに7日間の自主停留措置が義務づけられています。
しかし、出発前72時間以内に行われたPCR検査で陰性証明書を所得している人は、入国後の14日間の停留措置が免除され、代わりに健康のセルフモニタリングを14日間行うことになっています。
健康のセルフチェックとは検温、マスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保等の感染予防対策の実施の事をさします。
また、インドから日本に入国する場合は入国時に検査証明書の提出が求められます。
運航状況に関しても一部運航や特別運航の措置がとられています。
詳しい情報は以下のURLを確認してみて下さい。
・インド)新型コロナウイルス感染拡大に伴う航空会社の運航状況
ブラジル
ブラジルのこれまでの感染者数は国内で、約870万人、死者は21万人にのぼります。
現在の感染者数はいまだ増加傾向にあり、一日約5.4万人が感染してしまっています。
この人数は感染者数はピークであった2021年1月12日の97%に該当する人数で、依然として高い割合で推移しています。
ブラジルの感染拡大の要因として、ジャイール・ボルソナーロ大統領の発言が関わっている可能性があります。ジャイール・ボルソナーロ大統領は、「コロナはただの風邪だ」「人間はいつか死ぬ」などと発言をしており、それに対する指摘が注目されていました。
しかし、ブラジルでは州ごとに活動制限などの感染防止対策が導入されており、これらの規制には、ボルソナーロ大統領には権限はありません。
ブラジル連邦共和国憲法34条、35条により、連邦構成単位のいずれかの権力の自由な行使を保障するなどの憲法に定められた事項にあてはまらない限り、連邦政府が州政府に干渉することは禁止されています。原則として、コロナ対策は各州で州政府が定めるものということになるということです。
そのため、実際に各州で行われている対策は各州政府が決定したもののため、感染拡大の要因がボルソナーロ大統領の対策不足によるものとは言えません。
実際にブラジルで導入された政策としては州内を複数の地域に分け、州内各地域の感染拡大状況や医療体制に準じた5段階の感染警報を発するシステムなどがあります。
赤、オレンジ、緑などの警報レベルに応じて、人々の行動や経済活動が制限・緩和されるという仕組みで、州政府は、これを毎週水曜日に更新しています。
また、現在ブラジルでは新型コロナ用のワクチンを含め、医療品の国内供給量安定に向けた動きが活発です。
新型コロナウイルス対策の実施期間中に限り、医薬品や医療資器材の輸入および流通にかかる国家衛生監督庁(ANVISA)への製品登録を不要とする法案を可決するなど、国内に十分な医療品が流通するように、対策が練られています。
ブラジルの運航状況
現在ブラジルでは、ブラジルへの外国人の入国を国籍に関わらず制限する措置を発表しました。従来措置からの主な変更点としては、措置の終期に関する記述が削除されたほか、12月30日以降、渡伯便搭乗の際の陰性証明書及び旅行者健康状態申告書の提示義務が設けられました。
日本政府としてもブラジルの感染症危険レベルを3とし、「渡航はやめてください」という渡航中止勧告を発出しています。
また、1月14日より全ての国・地域から入国される方は、国籍を問わず誓約書、72時間以内に実施されたPCR検査の陰性証明書及び質問票の提出が求められ、入国後は、14日間の自宅等における待機に加え、以下の対応が求められます。
- LINEアプリを利用した健康状態の報告
- 厚生労働省が指定する接触確認アプリのインストール・利用
- 入国後14日間の位置情報の保存等
- 入国後14日間の公共交通機関不使用
- 入国後14日間不特定の者との接触を行わない
- 有症状となった場合の保健所への報告
- 入国後3日間、検疫所が確保する宿泊施設で待機し、改めてPCR検査を受検
ほかにも、ドイツ連邦政府は、今月19日からブラジルをレベル3のリスク地域(特に感染力が強いウイルスの変異株が蔓延しているリスク地域)に指定しました。
これに伴い、今後、ブラジルからドイツを経由して日本に帰国する場合、ドイツで制限区域から出ずにトランジットのみを行う場合であっても、ドイツ到着前48時間以内に受検したPCR検査の陰性証明書を取得し、搭乗時に航空会社に対して提示することが求められます。
これにより、ドイツに入国する際にも、以下のデジタル入国登録フォームにより、事前に入国登録を行うことが必要となります。
まとめ
現在、日本では国内感染者数が約35万人で、約5000人の死者が確認されてています。
感染者数が多いアメリカ、インド、ブラジルと比較してしまうと少ないと思ってしまいがちですが、決して少ない数ではありません。
各国が政府を中心に対策を練り感染拡大防止の向け様々な政策や規制をたてています。
各国政府による水際対策措置は今後も頻繁に変更される可能性があるので、その都度必ず確認するようにしてください。
世界の状況に目を向けながら、自分の身、周りの人の命を守るためもう一度自身の行動を見つめ直してみてはいかがでしょうか?
最後まで読んでいただきありがとうございます。
参考サイト
海外感染者数データt