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OTAって何?オンライン旅行代理店を利用すべき理由とおすすめのOTA5選

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インターネットの普及により、宿をオンラインで予約することが一般化しました。
多くの旅行客が宿をオンラインで予約する際に利用するのが、OTA(オンライン旅行代理店)です。
ホテルや民泊、旅館などがOTAを利用することには様々なメリットがあります。特にインバウンド需要を見越した海外旅行客の集客には大きな意義があるといえるでしょう。
この記事では宿泊施設がOTAを利用するべき理由と、使い勝手や特徴、料金を比較し厳選したおすすめのOTA5選を紹介します。

ホテル業界におけるOTA(オンライン旅行代理店)とは


OTA(オンライン旅行代理店)とは、インターネットを通じて宿泊施設の予約を取り扱うオンライン上の旅行代理店のことです。Online Travel Agentの略で、じゃらんや楽天トラベルなどは馴染みがある名前ではないでしょうか。

HISやJTBなどの旅行会社との違いのひとつが、実店舗を持つか、持たないかです。
HISやJTBでもオンラインでのツアーや宿泊施設の予約販売があります。しかし、OTAと違い、旅行会社は実店舗が存在します。利用客は実際に店舗を訪れ、スタッフと対話をしながら最適なツアーや宿泊先を選択、予約することができます。
OTAはオンライン上にのみ存在する旅行代理店のため、実店舗がありません。対面でのカウンセリングや旅行プランの提案はありませんが、自分の好きなタイミングでホテルを検索、予約できることが魅力です。

OTA比較5選~使い勝手から特徴、料金まで徹底比較~


オンライン旅行代理店(OTA)には様々な種類があります。
日本人旅行客の利用が多いOTA、逆に海外で人気のOTA。価格や使い勝手、運営する施設の規模によっても最適なOTAは異なるでしょう。
ここでは、使い勝手、特徴、料金に焦点を当てておすすめの5つのOTAを徹底比較します。

Booking.com

Booking.comは、世界70ヵ国でサービスを展開している世界最大のOTA(オンライン旅行代理店)です。アメリカでの予約数は様々なOTAを抑えて1位を獲得しており、インバウンド需要の取り込みが期待できるOTAといえます。

特徴は以下の通りです。

  • 43ヶ国語に対応しており、インバウンド需要に最適
  • 航空券、アクティビティとの組み合わせ予約が可能なため、旅行者の需要にマッチし予約に繋がりやすい
  • 大きなホテルだけでなく、個人経営による部屋貸しの施設も多く掲載

手数料は平均15%前後で、地域や条件により異なります。日本では12%に設定されているようです。
インバウンド需要を狙いたい、世界中にアピールして多くのチャンスを掴みたい方に最適のOTAです。

Airbnb

Airbnbは、アメリカ発の民泊向けOTAです。貸別荘などの一棟貸施設や、部屋貸しなどが多く掲載されています。

特徴は以下の通りです。

  • 長期滞在したい海外ユーザーの利用が多く、連泊に繋がりやすい
  • 掲載から集客が始まるまでの期間が短く、スピーディー
  • 民泊予約のパイオニアとして圧倒的な知名度があるため、利用客が多く、予約を獲得しやすい

手数料はBooking.comと同じく15%前後と平均的な価格です。
また特にインバウンド需要を狙うなら、海外からのバックパッカーや長期滞在客は見逃せません。こうした旅行客は宿泊費用を安く抑える傾向があり、家族で滞在するのにぴったりな一棟貸しや、比較的宿泊費用が安い民泊を利用します。
民泊を経営する際にはぜひ利用を検討したいOTAのひとつです。

agoda

agodaは、タイを中心にアジア圏の宿泊施設に強いOTAです。東南アジアでは最大のホテル予約サイトですが、国内ではJTBの取り扱いホテルの予約が可能だったり、ANAやJALのマイルを貯めることができたりと、日本でのシェアを徐々に拡大しています。

特徴は以下の通りです。

  • 掲載ホテルが多く探しやすい仕様で利用客が使いやすいため、集客効果が期待できる
  • 民泊だけでなく一般のホテルも予約でき、客層が広い
  • 手数料は12%だが、国内向けは9%と国外OTAとしては安い

アジアを中心に海外からのインバウンド需要が見込めるOTAながら、手数料が安い点が魅力的です。
さらにサイト自体の利用のしやすさから施設の予約獲得のチャンスにも期待できます。
アジア圏の需要を狙うなら利用する価値のあるOTAです。

じゃらん

じゃらんは、日本市場において認知度が高く、安心して利用できるOTAです。
2022年の観光関連サイト閲覧者数ランキングで1位を獲得しており、その集客力の高さがうかがえます。

特徴は以下の通りです。

  • 約32,300件もの宿泊施設と契約しており、予約獲得のチャンスが非常に大きい
  • 地域密着型の情報発信が強みで、地域性を活かした旅館や民泊などへの集客が期待できる
  • ポイント還元率が高く、リピーターの獲得にも有利

手数料は海外が12%、国内は8%~10%と少し抑えめな設定。
誰もが知っているOTAを利用すれば効果的に認知を広げ、予約に繋げることが可能です。またポイント還元率が高く、リピーターが獲得しやすい点も長期的な宿泊施設の運営においては魅力的なポイントではないでしょうか。
地域性の高い民泊や一棟貸しの別荘、旅館におすすめのOTAです。

参考:2022年観光関連サイト推計閲覧者数ランキング|公益社団法人日本観光振興協会

楽天トラベル

楽天トラベルは、じゃらんと並ぶ国内最大級のOTAです。楽天ポイントユーザーの利用率が高く、幅広い層に人気のOTAです。

特徴は以下の通りです。

  • 楽天経済圏効果で、ポイント目当ての予約が期待できる
  • 宿泊予約だけでなくダイナミックパッケージやレンタカー予約など多様なサービスで利用客のニーズに対応
  • 出張などビジネス向けの利用が多く、旅行客以外の需要を取り込める

手数料は海外が10%、国内が8~9.25%とじゃらんより低いところがポイント。
アクセス数はじゃらんに劣りますが、その分、ビジネス向けの需要に対応していたり、楽天ポイントを目的とした潜在層の開拓が見込めたりするなど魅力も多いOTAです。

OTAなどオンライン売上高は2023年に過去最高記録へ


オンライン旅行代理店(OTA)を利用した宿泊予約の割合は、非常に高水準に達しています。

市場調査会社ユーロモニターインターナショナルのオンライン消費動向によると、日本における旅行関連のオンライン売上高は、2023年に過去最高の4兆7007億円に達したと紹介されています。
項目別内訳では、宿泊が1兆7118億5090万円を記録しています。

同社では、旅行のオンライン購入は引き続き拡大傾向にあると予測していて、2024年は前年比1割増の5兆1681億円と予測されています。
また、2025年には5兆5413億4760万円、2026年に5兆8828億2380万円、2027年に6兆1733億9340万円、2028年6兆4146億3470万円と数年に渡り増加していく予測が行われています。

このように、OTAの利用をはじめとするオンラインでの宿泊予約はスタンダートになっています。今後も売り上げの増加が予測されるOTAを効率的に利用することは、宿泊施設経営において重要なポイントと言えます。

参考:日本のオンライン経由の旅行売上げが過去最高、コロナ前を上回る4兆7000億円に、ツートップは「航空」と「宿泊」

インバウンド予約のOTA利用率は脅威の91%!


日本を訪れる外国人旅行客は年々増加しています。増えるインバウンド需要に対し、宿泊施設も効果的な対応をする必要があります。

OTAの利用はそのひとつですが、では実際に外国人旅行客はどのくらいの割合でOTAからホテルの予約をしているのでしょうか?

旅行関連調査会社の米フォーカスライトが実施したオンライン旅行予約サービスの利用実態に関する国際調査によると、以下の傾向が判明しました。

  • 宿泊施設と航空チケットのいずれも、OTAサービスの利用者率が多い
  • レジャー旅行者の最大市場である中国で91%がOTAを利用
  • アメリカでは72%がOTA経由で予約

海外ではOTAが主要な予約ツールであることもあり、上記のような高い割合でのOTA利用が確認できました。これは外国人観光客のほとんどがOTAを利用することを表しています。

インバウンド需要への対応を考える際には、国外のOTAへの掲載を検討してみるのもひとつの手段であると言えるでしょう。

参考:宿泊予約サイトの国別比較、OTA利用は6割超も米・仏で「OTAで確認後にホテルサイトで直接予約」の行動も、中国のスマホ予約は6割 ―米フォーカスライト

OTAは民泊との相性もいい


OTA(オンライン旅行代理店)は、民泊業界においても強力なツールとなります。
その背景としてあげられるのは以下のような理由です。

  • 宿泊費を安く抑えられる
  • 大人数での宿泊に向いている
  • 古民家など日本らしい家屋に宿泊できる
  • 経費を抑えて効率的に集客できる

宿泊費を安く抑えられる

海外ゲストは長期滞在をする場合が多いです。みなさんも海外旅行をする際は、3泊4日や1週間以上など長期での旅行を計画されるのではないでしょうか?
長期の旅行をする際に気になるのが宿泊費用です。長期間の滞在では特に一泊あたりの費用を抑えることで旅行の総費用を抑えることが可能になるため、ゲストの中には宿泊費を抑え、そのほかのアクティビティに費用を当てたいと考える人もいます。

一般的に、民泊はその運営スタイル上、ホテルよりも宿泊費を安く抑えられることがほとんどです。そのため特に海外からの旅行客で日本に長期滞在をするような人に、民泊が選ばれやすい傾向があります。
海外ゲストのほとんどがOTAを利用することを考えると、OTAと民泊の相性は非常に良いと言えるのではないでしょうか。

大人数での宿泊に向いている

例えば家族旅行など4人以上で旅行する際、一般的なホテルの場合は部屋を2部屋以上予約する必要があります。多くのホテルの部屋が2人~3人用に作られているからです。
そんな時、コテージなどを一棟貸ししている民泊を利用することはゲストにいくつかのメリットがあります。
例えば祖父母を含めた親子三世代の旅行では、ホテルと違って全員で同じ空間に宿泊が可能になり、旅の素敵な思い出を共有する時間をより増やすことができます。
また多くの場合、一棟貸しの民泊は施設ごとに利用料金が決まっており、宿泊人数で変動しません。最大人数で宿泊することで、ホテルで部屋を複数予約するよりも宿泊費用を抑えることができます。

特に海外旅行の場合、祖父母と一緒に旅行をしたり、卒業旅行などで大人数になったりと、よくある国内旅行よりも人数が増える傾向があります。
一棟貸しや大人数での利用を想定した民泊施設では、OTAを利用することで海外のゲストに対しても効率的な集客が期待できます。

古民家など日本らしい家屋に宿泊できる

近年、日本らしい家屋に滞在したいと考える海外からのゲストが増えています。日本の伝統的な家屋や和風建築は、異文化体験を求める観光客にとって非常に魅力的です。

この需要に応えるため、古民家を活かした民泊の運営が増えています。例えば、京都の町屋や東京都内の古民家などが特に人気があります。これらの家屋は、日本の伝統的な生活様式と文化を直に感じることができるため、多くの予約が集中しています。また、「畳の部屋に泊まりたい」といったリクエストもよく見受けられます。観光客は、日本独自の生活空間を体験し、その特別な経験を通して旅行の思い出を深めたいと思っているのです。

古民家への宿泊を期待するゲストの多くが海外ゲストであることを考えると、海外OTAを利用することは民泊経営にとって相性が良いと言えます。

経費を抑えて効率的に集客できる

OTA(オンライン旅行代理店)は、他の広告手段に比べて利用料金が安価で、経費を抑えたい場合には最適な集客方法のひとつです。これは、OTAがインターネットを利用したサービスであり、物理的な広告スペースや人員のコストが不要であるためです。そのため、比較的低コストで効果的な集客が可能となります。
例えば、GoogleやFacebookなどの有料広告に多額の費用をかけるよりも、OTAを利用することで、初期費用や維持費を抑えることができます。また、繁忙期で宿泊施設運営者が忙しいときでも、OTAは24時間予約を受け付けるため、非常に便利です。このことで、効率的に集客を行いながら、コストパフォーマンスを高めることができます。

民泊の経営は、一部屋や一棟貸しなどミニマムな範囲で行われる場合も多いと思います。
集客に多くの費用をかけられない民泊経営だからこそ、少額の費用で効率的に集客できるOTAの相性が非常に良いのです。

OTA利用のメリット・デメリット


OTA(オンライン旅行代理店)の海外での利用率の高さや、民泊経営との相性についてご紹介しました。
メリットばかりに見えるOTAの利用ですが、少なからずデメリットも存在します。
この章ではOTAのメリットとデメリットについて、具体的に紹介します。

メリット

OTA利用のメリットとしてあげられるのは、以下の2つです。

  • 予約受付が時間を問わない
  • 認知度の向上や販路の拡大の手間が少ない

ひとつずつ説明します。

予約受付が時間を問わない

OTA(オンライン旅行代理店)の予約受付は24時間体制で行われ、オンラインプラットフォームを利用することで、いつでもどこでも予約を受け付けることができます。そのため、宿泊施設は営業時間外でも予約を逃さず、常に収益機会を最大化することが可能です。例えば、深夜に海外からの観光客が次の日の宿を探している場合でも、OTAを通じて予約ができるため、宿泊施設は機会損失を防ぎ、収益を拡大することができます。このように、OTAを活用することで24時間いつでも予約を受け付けられるため、宿泊施設の収益機会を逃さずに済みます。

認知度の向上や販路の拡大の手間が少ない

OTAを利用すると、認知度の向上や販路の拡大が容易に行えます。これは前述した通り、旅行客のOTA利用率が非常に高く、多くの旅行客がOTAを通して宿泊施設を予約するからです。
OTAを利用すれば、新たなユーザーにリーチできるだけでなく、OTA自体が広告や宣伝活動を行うため、個別に大規模なマーケティング活動を行う必要がなくなるのです。
例えば、Booking.comやAirbnbに登録することによって、ユーザーは自然とあなたの宿泊施設を目にする機会が増え、「こんな場所があるんだ!」と認識されやすくなります。さらに、特定のプロモーションやキャンペーンにも参加することで、販路がさらに広がる可能性があります。これにより、販路の拡大と認知度の向上を効率的に実現することが可能となります。
このように、OTAを活用することで、認知度の向上や販路の拡大を効率的に行うことができます。

デメリット

OTA利用のデメリットとしてあげられるのは、以下の2つです。

  • 手数料がかかる
  • 価格競争になりやすい

ひとつずつ説明します。

手数料がかかる

OTA利用には手数料が発生します。OTAは予約システムを提供し、顧客獲得のプラットフォームとして機能するため、その対価として手数料が必要です。
例えば、Booking.comでは10%から15%の手数料がかかります。この金額は予約金額に応じて異なりますが、比較的大きな支出となることが多いです。手数料がかかるため、宿泊施設側は収益をしっかりと計算して利用する必要があります。

価格競争になりやすい

OTA(オンライン旅行代理店)は、多数の宿泊施設を一括で比較できるため、ユーザーは価格を重視して施設を選ぶ傾向があります。その結果、宿泊施設のオーナーは他の施設と価格を競うために料金を下げざるを得なくなり、価格競争に陥ることがよくあります。
例えば、Booking.comや楽天トラベルのような大手OTAに登録されている宿泊施設は、競合する他の施設と並んで表示されるため、同程度のサービスを提供しているならば、ユーザーは少しでも安価な施設を選ぶ傾向が強いです。したがって、価格を下げなければ予約を獲得するのが難しい状況が続きます。
価格競争に巻き込まれることで、宿泊施設の利益は大きく削られるリスクが生じます。適切なブランディングや独自の魅力を打ち出すことができない場合、価格を下げ続ける以外の選択肢がなくなり、最終的には収益の減少に繋がってしまうことがあります。OTAを利用する際には、この点を十分に考慮し、適切な価格戦略とサービス向上策を講じることが重要です。

まとめ


OTA(オンライン旅行代理店)は、旅行客の利用率の高さや集客の利便性から、現代の旅行業界において重要な役割を果たしています。
外国人旅行客の需要が増える中、国内だけでなく国外のOTAを効率的に利用することで、より利益を拡大することに繋がります。
まだ取り入れていない方はぜひこの機会に利用を検討してみてはいかがでしょうか?

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