民泊の需要は高まっており、民泊経営を考えている方も多いでしょう。民泊経営で成功するためには、近隣の民泊やホテルと差をつける必要があります。今回は、ユニークな体験を提供する民泊の成功事例3選と、スムーズな運営を実現するおすすめのシステムを紹介します。民泊経営を考えている方はぜひ参考にしてください。
そもそも民泊とは
民泊とはその名のとおり一般の民家や空き部屋を宿泊施設として提供することで、言い換えると一時的に一般家庭で旅行者を受け入れるということになります。
民泊の事業形態には、その家の持ち主(オーナー)と一緒に寝泊りするいわゆるホームステイのような「家主居住型」と、オーナーの不在時に空き部屋を貸し出す「家主不在型」があります。
民泊の需要は増加している
新型コロナウイルスの影響が落ち着き、観光需要が増加している中、民泊の需要も高まっています。
民泊が注目されている背景には、訪日外国人観光客の増加が挙げられます。観光庁によると、2022年の訪日外国人旅行者数は383万人でした。2021年は、新型コロナウイルスの影響で25万人にとどまっていましたが、回復していることがわかります。
新型コロナウイルスが流行する直前の2019年3,188万人を記録していたころから、今後ますます外国人観光客が増加する余地があると言えるでしょう。
観光客が増加すると、当然宿泊施設の需要も高まります。しかし、大型のホテルを増やそうとしても、建設条件に見合う場所が少ない、建設期間がかかるため追いつかない、などの問題が発生しています。
そこで注目されているのが、民泊です。民泊では、元から存在する空き家・空き部屋などを一時的に貸し出すため、宿泊施設不足問題を解消できます。
さらに、2018年に「住宅宿泊事業法」(以下「民泊新法」)が成立したことで、ホテルや旅館に比べて民泊を始めるハードルが下がりました。
このように、民泊の需要は増加しており、経営もしやすくなっているため、民泊経営に挑戦する方が増えています。
民泊の成功事例3選
民泊を開業する際は、競合に負けないよう独自の魅力を発揮することが大切です。民泊の競合は、近隣の民泊だけではありません。ホテルや旅館に宿泊客が流れないよう、「ホテルではなくあえて民泊に泊まる意義」をアピールする必要があります。
ここでは、民泊ならではの体験を宿泊客に提供している、民泊の成功事例3選を紹介します。
一度やってみたかった!そんな体験ができる「農泊」
民泊では宿泊だけではなく「その土地ならではの体験」を含むものがあります。その一つが「農泊」です。
農泊は、農山漁村に滞在して農村地域の人々と交流したり、伝統的な生活体験ができるもので、場所によっては実際に農業を営んでいる農家にいわゆる「ホームステイ」できます。「自分で収穫した野菜を食べたい」「漁師と一緒に漁に出てみたい」「囲炉裏でごはんを食べたい」「日本昔話のような生活をしてみたい」というような、都会では味わえない体験ができるのが魅力です。
新潟県にある「農家民宿うしだ屋」は、1日1組限定で、古民家を一棟貸ししている民泊です。オーナーは無農薬アイガモ農法や減農薬での米作りに取り組んでおり、宿の前にも田んぼが広がっています。冬には一面雪景色が広がり、雪国の絶景を堪能しながら、都会の喧騒から離れたのんびりとした時間を過ごせます。
自然に囲まれながら、農家の暮らしを体験できると人気を集めています。オプションで「炊事体験」があり、直火・羽釜炊飯と、季節の食材を用いたみそ汁作り体験ができます。体験アクティビティも充実しており、宿泊客を飽きさせない工夫が満載です。
え?!そんな場所に泊まれるの?!少し変わった民泊
民泊は個人経営が多く、オーナー側の経営理由も様々なことから、施設様式がバラエティに富んでいることも大きな特徴です。普通のマンションの一室や、貸し別荘、コテージのように他でもよく見るものもあれば、江戸時代から残る古民家、本当に電気・電波のない山奥の温泉、犬や猫・ヤギなどのペットのいる家、手作りのツリーハウスなど「え?!そんな場所に泊まれるの?!」と思うような場所もたくさんあります。
宮城県の「校舎の宿 さんさん館」では、平成11年に廃校となった小学校に泊まることができます。
昭和レトロな校舎には実際に使われた机や黒板などが残されており、長い間学び舎として利用されていた歴史を感じられます。古い建物ではありますが、客室部分はきれいにリフォームされており、快適に暮らせるのが魅力です。最大30名まで宿泊でき、大人数での旅行にも適しています。
校舎は山に囲まれた自然豊かな場所にあり、別途で10種類以上のその土地ならではの体験ができます。地元の人たちの「この学校をなんとか残したい」という思いから民泊として遺されたことも頷ける、レトロで歴史を感じる宿です。
旅先での出会いを大切に「ホームステイ」や「シェアハウス」
民泊には「家主居住型」と言われる、オーナーと一緒に過ごす、いわゆるホームステイのような宿泊方法があります。宿泊施設によりますが、オーナーが食事の準備、送迎、観光案内、様々な体験を提供してくれる場所も多いです。中にはオーナーとの触れ合い自体が「親戚の家に来たような時間が過ごせる」と人気の宿もあり、ホテルとの決定的な違いになっています。
また、オーナーだけではなく「宿泊者」どうしの交流ができる「シェアハウス型」の宿も存在します。
例えば、東京都小笠原の父島「シェアハウス海」では、オーシャンビューのシェアハウス型の民泊を利用できます。
最大5人が共同生活できるデザイナーズ・シェアハウスで、カフェのような共同スペースの窓からは目の前に広がる海を一望できます。
共同スペースにはキッチンもあるので、その場で仲良くなった宿泊者同士で食事を作り合うことも可能です。目の前の海から上がって使用できるよう、外にはシャワーとトイレが完備されており、電動バイクやキッチン用品も自由に使えます。素泊まりで、すぐに南の島での生活が始められることが、人気の秘密です。オーナーと相談すればお弁当の用意や観光の相談も受け付けてもらえます。
無人化で差をつける!民泊経営で導入したい3つのシステム
民泊経営で差をつけるためには、システムを導入化して無人化を進め、業務を効率化することが大切です。
ここでは、民泊経営で導入したいおすすめのシステムを3つ紹介します。
おすすめシステム1.ホテル管理システム(PMS)
ホテル管理システム(PMS)は、予約や精算の管理、客室の管理、顧客情報の管理、宿泊データ分析など、ホテル宿泊に関するあらゆる業務を一括して管理できる便利なシステムです。
民泊経営にも活用できます。さまざまなフロント業務を自動化して人件費を削減できたり、売上や稼働率などのデータを自動で集計して今後の経営に活かせたりと、メリットは多いです。
おすすめシステム2.スマートロック
スマートロックとは、暗証番号を入力したり、スマホのアプリをかざしたりするだけで解錠・施錠ができるシステムです。鍵本体がなくても鍵を開けられるため、鍵をわざわざ渡す手間が省けます。
暗証番号の発行や鍵の有効期限の設定などもシステム上で行えるため、キーボックスで鍵を渡す方法よりも安全です。トラブルが発生した際も、現地を訪れることなく、システム上で対応できます。
おすすめシステム3.セルフチェックインシステム
セルフチェックインシステムとは、ホテルや民泊、レンタルスペースなどでのチェックイン作業をゲスト自身で完結できるシステムのことです。予約情報の確認や本人確認、鍵の受け渡し業務などのチェックイン業務を無人化できます。
セルフチェックインシステムを導入することで、人件費を削減できるほか、宿泊客の待ち時間も短縮できます。また、英語や中国語などに対応しているシステムも多く、外国人観光客の受け入れにも対応できるのが魅力です。
まとめ
民泊経営に成功するためには、ほかの民泊やホテルでは体験できないような経験を宿泊客に提供することが大切です。民泊が位置するエリアの特徴を活かし、ユニークなコンセプトで宿泊客を集めましょう。
また、PMSやスマートロック、セルフチェックインシステムなどのシステムを導入することで、経営を効率化できます。セルフチェックインシステムの導入を検討している方は、以下よりお問い合わせください。