こんにちは!
ここでは「民泊を始めたいけど、開業までの流れがわからない…」「空き家を活用して収益を得たい…」という方の助けになる記事を書いていきます!
Contents
民泊と空き家について
そもそも民泊とは、何なのでしょうか。
厚生労働省によると民泊とは、「一般には、自宅の一部や空き別荘、マンションの空き室などを活用して宿泊サービスを提供するもの」と定義しています。
近年、インターネット仲介サイトが出現し、国内外の観光客に対して個人宅や投資物件を有料で貸し出す「民宿ビジネス」がとても増えています。(詳しくは「民泊」って何?ホテルとの違いや、醍醐味・注意点などをご覧ください。)
空き家問題
総務省の平成30年度住宅・土地統計調査によると、空き家数は848万9千戸と過去最多となり、全国の住宅の13.6%を占めているとされています。
空き家は、衛生、防災、景観等の面で人々の生活環境に影響を及ぼし社会問題となっているため、空き家の有効的な利用のための対応が各地において必要とされています。
そのため本記事では空き家を利用した民宿の開業方法について書かせていただきます!
空き家を民泊施設にするためには?
それでは、空き家を民泊施設にするにはどうすればいいのでしょうか?
居住要件を満たすこと
居住要件を満たし、民泊施設とするには届け出をする建物がいずれかに該当する必要があります。
①人の生活の本拠とされ使用されている
②入居者の募集が行われている
③随時その所有者、賃借人または転借人の居住用に提供されている建物、設備に関する要件を満たすこと
設備要件を満たすこと
また、設備要件として、最低限4つの設備が必要です。
①台所
②浴室
③便所
④洗面設備
この通り、施設に最低限必要な水回りの設備が完備されていることが条件となります。(同じ1棟の建物内に設置しなければいけないわけではないです。建物内にない場合でも、同じ敷地内にあり設備を利用することができれば届け出をすることも可能です。)
また、安全面を考慮して、消化器や火災報知器、誘導灯などの消防設備の設置が必要です。
民泊開業までの大まかな流れ
以下は空き家選定から開業までの一連の流れを書いていきます。
①空き家の選定
許認可がとれるか確認しておきましょう!※その物件で開業可能か前もって調査することを事前調査といいます!
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②事業のコンセプト・計画書作り
どんな民宿を作りたいか、損益のバランスはとれているのか。融資の際は資金調達に直結するのでしっかりと作りこみましょう!
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③資金調達
自己資本で行うのか、融資を受けるのか、最近ではクラウドファンディングで資金を募る事例もあります!
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④内外装工事
内装業者や工務店さんの相見積もりを行い、料金や納期で納得いくものを選びましょう!
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⑤許認可、登録等
行政書士に連絡し、許認可の申請書類作成や提出手続きをお願いしましょう!
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⑥インターネット仲介サイトへの登録
Airbnbなど、掲載料金や仲介手数料等と相談しながら選定しましょう!
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⑦広告宣伝、プロモーション
広告費の予算を定め、丹精込めて作り上げた民宿を思う存分に宣伝しましょう!
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⑧民泊開業!
晴れて開業!ここからがスタートです!頑張って運営していきましょう!
以上のように、開業までの道のりは決して短いものではありません。自分で行うこと、専門家に任せることをしっかりと分け、負担を減らせるように工夫しましょう!
開業に伴う法律について
ここでは、開業に伴う具体的な法律をそれぞれ見ていきます!
特区民泊(国家戦略特区法)
特区民泊とは、国家戦略特区として指定されている一部地域で認められている制度で、届け出によって民泊施設を手軽に開業することができます。
ポイントとして、特区民泊の対象地域であれば旅館業法の許認可を取らないで民泊の開業ができる点です。
特区民泊は賃貸業の扱いとなります。現行法上、賃貸業は1か月以上からとされていますが、特区民泊制度では、数日間(2泊以上)だけの短期賃貸借を認めている形となっています。
メリット:旅館業より簡単に開業でき、安く済む。営業日数に縛りはなく通年で営業可能。
デメリット:特定地域のみ対象。受付可能なのが最低2泊からの予約のみ。(1泊はダメ)
旅館業法
旅館業は「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」と定義しています。この、「宿泊」とは「寝具を使用して施設を利用すること」とされており、旅館業を経営する場合は、旅館業法に基づく営業許可を受けなければなりません。旅館業法に基づく許可には、営業区分として「ホテル・旅館」「簡易宿所」「下宿」があります。(以前までは「旅館」「ホテル」それぞれ区別されていましたが、平成29年に旅館業法が改正され、「旅館・ホテル営業」として統合されました。)
メリット:自由に運営可能。営業日数や最短宿泊日数の制限がない。(180日以上ok、1泊からok)
デメリット:許可取得の難易度が高い。
民泊新法
事業者の適正な運営、宿泊需要の対応、観光客の来訪や滞在を促進することで、日本経済の発展に寄与することを目指して作られた法律です。
民泊に関した新しい法律であるため「民泊新法」と呼ばれていますが、正式には「住宅宿泊事業法」です。土地には使用用途があり、民泊新法の場合、適用される建物の用途は「住宅」です。つまり、ホテルや旅館が営業することのできない住宅専門地域で営業することが可能です。
民泊事業者は都道府県知事に対して届出をすることで、旅館業法の許認可がなくても民泊運営をすることが可能です。
この新法の民泊施設には「家主居住型」「家主不在型」の2種類があり、それぞれ規制等が少し違うので注意してください。(開業タイプで後述しています)
メリット:オンラインの届出可能。3つの中で一番合法化のハードルが低く、1泊から可能。
デメリット:年間営業日数が180日以下が条件。賃貸の場合、残りの185日に賃料がかかってしまう。※営業開始からの経過日数ではなく、営業日数なのに注意!
開業に必要な手続き
特区民泊について
都道府県知事の認定を受ける必要があります。自治体の条例等により基準等が異なる場合があるため、手続きの詳細については特区指定地域の自治体に確認する必要があります。
旅館業法について
簡易宿所として民泊事業を行う場合は、都道府県の許可を得る必要があります。許可の申請は管轄地域の保健所で行います。必要書類提出による申請後、保健所の施設検査があり、合格すれば民泊事業の営業が許可されます。
民泊新法について
都道府県知事への届出が必要となるため、原則として民泊制度運営システムを利用して行います。
「民泊制度運営システム」https://www.mlit.go.jp/kankocho/minpaku/business/system/
開業タイプによっての規制
特区民泊について
・住宅専門地域での営業→可能(自治体ごとに制限の場合があります)
・営業日数の制限→2泊~9泊までの滞在が条件
・宿泊者名簿の作成・保存義務→あり
・最低床面積→原則25m²/室
・衛生処置→換気、採光、照明、防湿、清潔等の措置、使用開始時に清潔な部屋の提供
・安全確保措置義務→あり
・消防設備等の設置→あり
旅館業法について
・住宅専門地域での営業→不可
・営業日数の制限→制限なし
・宿泊者名簿の作成・保存義務→あり
・最低床面積→33m²(宿泊者数10人未満の場合、3.3m²/人)
・衛生処置→換気、採光、照明、防湿、清潔等の措置
・安全確保措置義務→あり
・消防設備等の設置→あり
民泊新法について
・住宅専門地域での営業→可能(自治体ごとに制限の場合があります)
・営業日数の制限→年間提供日数180日以内
・宿泊者名簿の作成・保存義務→あり
・最低床面積→3.3m²/人
・衛生処置→換気、採光、照明、防湿、清潔等の措置
・安全確保措置義務→あり(家主居住で宿泊室の面積が小さい場合不要)
・消防設備等の設置→あり(家主居住で宿泊室の面積が小さい場合不要)
関わる業者・活用すると便利な業者
関わる業者
・不動産屋→物件選び
・行政書士→旅館業法、特区民泊、民泊新法などの書類作成
・建築士→建築基準法に関しての書類作成
・消防設備士→消防法の基準を満たすため
これらは、専門的な知識を必要とするため、その分野に特化した専門家への依頼をお勧めします!
活用すると便利な業者
・工務店や内装業者
建物が古い場合、リノベーションを行います。また、内装やデザインにこだわることで集客へとつながります!
・引越し業者
購入した家具を搬送、組み立て設置する際には、体力を使うので業者に委託するのも一つの手です!
・運用代行業者
民泊の運用を代行する企業です。集客、予約、問い合わせ対応、価格設定などすべて丸投げで代行してくれるため、収益は、その業者からの入金を銀行口座で確認するだけです!
・清掃業者
運営を行うためには、部屋のベッドメイキングや清掃が必要です。部屋全体の清掃や室内着の洗濯、アメニティーの補充などすべて委託することができます。毎回自分で行うと大変なので、業者に委託するのがお勧めです!
活用すると集客、便利な工夫
・多言語対応
訪日旅行客が増加しているため、宿泊者のターゲットを大きく広げる必要があります。主に、英語、中国語圏の旅行者が増えているのでこの2か国語は対応しておきたいですね。
・洋室と和室
和室にするか洋室にするかで部屋の雰囲気はガラッと変わります。そのため、どのような世界観にしたいか、ターゲットにあった部屋の構成にすることをお勧めします!最近では、和室にベッドを置く「和モダン」が流行っているので取り入れてもいいかもしれません。
・インターネット設備
Wifiは必ず必要といっても過言ではないです。費用対効果がとても高く、Wifi完備で集客もできるくらいです。特に海外からの旅行客はネット環境を重視している傾向があるのでぜひ取り入れたい設備です。
・スマートチェックイン
wifiに次いでおすすめなのが、スマートチェックインです。コロナウイルスの流行により、感染予防のため人との非接触、非対面が推奨されています。スマートチェックインサービス「maneKEY」は、多言語対応のサービスで、チェックインを非接触・非対面にしてくれます。宿泊者が必要事項をあらかじめ携帯で記入しておくことで、QRコードや(海外からの旅行の場合)本人確認としてパスポートの顔を自動AI認証するだけで受付が済んでしまいます。部屋の鍵はスマートロック機能も搭載しているためコロナ禍の現代ではぜひ取り入れたいサービスです!
・キッチン用品
滞在中にその地域の食材を使った自炊をするニーズがあるようです。また、設備要件に台所があり、料理ができることは、民泊とホテルの差別化にもなるので、おすすめです!
まとめ
いかがでしたでしょうか。空き家問題を解決し、訪日旅行客のニーズに対応する民泊。開業までの道のりは決して短くないですが、法律の改正によってかなり開業しやすくなっています。自分で行う手続き、やること、こだわるところを明確にし、業者への依頼や、サービスの効率化を図り、適切な運営をできるように心がけましょう。
参考
「厚生労働省旅館業のページ」
「民泊制度運営システム」
「統計局ホームページ」
「民泊の教科書」
「幻冬舎GOLD ONLINE」