ホテル経営を目指している方が知っておくべきなのが、ホテル経営に必要な許認可です。ホテル経営では、旅館業法に基づく許認可が必須のほか、提供するサービスによって必要な許認可が存在します。この記事では、ホテル経営に必要な許認可と申請方法について解説します。ホテル経営を目指す方は必見です!
ホテル経営に必要な許認可とは
ホテル経営の大前提となる許認可が、旅館業法による営業許可です。民泊を除く宿泊施設を運営する場合は、旅館業法による営業許可の取得が必須です。
そもそも旅館業法とは、厚生労働省所管のもと、地方公共団体が定める条例・規則に則って運用されている、旅館業に関する法律です。旅館業の適正な運営確保や健全な発展、宿泊者のニーズに沿ったサービス提供を目指し、公衆衛生や国民生活の向上に旅館業が寄与することを目的に定められています。
旅館業の許認可は、宿泊施設の規模や種類によって、以下の3つに分類されます。
- ホテル・旅館営業許可
- 簡易宿所営業許可
- 下宿営業許可
そのほかホテル経営に必要な許認可
ホテル経営において大前提なのが旅館業による許認可ですが、そのほかにも扱う業務の幅に応じて以下のような許認可が必要です。
- 飲食店営業許可
- 酒類販売業許可
- 公衆浴場許可
ホテルにレストランを設けたり、ルームサービスを提供したりなど、飲食物を提供する際は「飲食店営業許可」が必要です。また、アルコールを提供する場合は、酒類販売業許可も必要になります。さらに、大浴場を設ける場合は、公衆浴場許可の取得が必須です。
このほかにも、設備やサービスによって必要な許認可が存在します。詳しくは、保健所や保健福祉事務所などに事前相談する際に問い合わせてみてください。
ホテル経営に必須!旅館業の許可申請ステップ
旅館業の許可申請は、都道府県ごとに異なりますが、主に以下のステップで行います。
- 保健所や保健福祉事務所などに事前相談
- 証明願の手続き
- 申請書類や添付書類の提出
- 現地調査・施設の構造設備の検査
- 許可証の交付および営業開始
旅館業許可を取得せず無許可で営業すると、6ヶ月以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、または懲役と罰金双方に処せられ、罰則の対象となります。ホテルを開業する際は、必ず申請しましょう。
1.保健所や保健福祉事務所などに事前相談
営業許可を得るためには、営業施設としての基準を満たす必要があります。都市計画法や建築基準法、消防法や景観法などさまざまな法律によって、営業施設としての基準が定められています。基準を満たしているかどうかを確認するために、施設の設計図などを持参し、保健所や保健福祉事務所、土木事務所や消防本部などの関係機関に事前相談を行いましょう。
2.証明願の手続き
証明願とは、営業予定施設から100m・200mの区域内に学校や児童福祉施設などの施設がある場合に必要になるものです。区域内に該当施設がない場合、あるいは既存の建築物で旅館業を営む場合、すでに旅館業の許可を得ている場合、証明願は不要です。あくまでも、建設予定の区域内に該当施設がある場合に必要である点を理解しておきましょう。
3.申請書類や添付書類の提出
保健所に、申請書類や添付書類などの必要書類を提出します。以下のような書類が必要です。
- 営業施設の構造がわかる図面
- 営業施設付近の見取図
- 定款または寄付行為の写し(運営主体が法人の場合に限る)
また、温泉利用がある場合は、ほかにも書類が必要になります。施設の構造などによって必要書類は変わるため、必ず保健所に問い合わせましょう。
申請には、基本的に22,000円の手数料がかかります。都道府県によって異なるので、事前に準備しておきましょう。
4.現地調査・施設の構造設備の検査
申請後、保健所調査員による現地調査や構造設備の検査が行われ、申請内容に問題がないかが確認されます。調査・検査の際は立ち会いが必要です。
5.許可証の交付および営業開始
許可が通ったら、許可証が交付され、いよいよ営業開始です。申請から許可取得までにかかる期間は、15日間が目安です。余裕を持ったスケジュールで申請を行いましょう。
ホテル経営を成功させるにはセルフチェックインシステムの導入がおすすめ!
今回は、ホテル経営に必須の許認可と、旅館業法の許認可申請ステップについて解説しました。ホテル経営の準備を進める前に、どんな許可が必要なのか、どのように申請すれば良いのかを理解しておきましょう。申請から許可が下りるまで時間がかかる場合もあるため、ゆとりのあるスケジュールで準備することが大切です。
また、ホテル経営を成功させたい方は、セルフチェックインシステムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。セルフチェックインシステムとは、その名の通りホテルや旅館などでのチェックイン作業をゲスト自身で完結できるシステムのことです。ゲストに事前にQRコードが発行され、それをチェックインシステム端末にかざすと端末が自動で本人確認を実施し、チェックインが完了します。スマートロックと連携すれば、鍵の受け渡しまでを自動化できます。従来のフロント業務を効率化するシステムとして注目されており、ホテル運営において導入メリットが大きいシステムです。
詳しくは、ぜひ以下からお気軽にお問い合わせください。